航空宇宙

ヘインズインターナショナルは、会社設立以来、航空宇宙産業において重要な役割を果たしてきました。第一次世界大戦中、Haynes STELLITE®合金製の切削工具は、軍用航空機エンジンの増産に不可欠であることが証明されました。1930年代には、新型の高馬力エンジンで要求される信頼性および出力の向上のために、エンジンの排気バルブがヘインズのコバルト基のSTELLITE®合金でハードフェーシングされました。 第二次世界大戦中、ヘインズは航空機エンジンの過給機に使用される2500万個を超えるインベストメント鋳造したSTELLITE®製のブレードあるいは“バケット”を供給して、再度、重要な役割を果たしました。

第二次世界大戦後、“ジェット時代”の到来と高温合金の需要の増加に伴い、ヘインズは、ニッケルおよびコバルト鍛造合金の開発と製造に注力しました。 1949年にMULIMET® 合金が市場に出され、続いて、1950年にコバルト合金のHAYNES® 25合金、1952年にHASTELLOY® X合金が市場に出されました。この3つの合金はすべて、今日も航空宇宙産業で使用されています。

今日ヘインズは、航空宇宙産業の厳しい使用要件を満たすために、高温鍛造ニッケル基およびコバルト基超合金の開発および製造に積極的に取り組んでいます。 当社の製品は、ほとんどの民間航空機、多くの軍用機、および宇宙の最前線を探索する乗り物に使用されています。 当社は、航空宇宙産業が求めている最高品質の製品、ソリューション、サービスを提供することをお約束します。 ヘインズ合金は、航空エンジンのさまざまな構造部品に使用されています。 いくつかの典型的な用途を以下に示します。
高温部のリング、シール、ケース
HAYNES® 214®, 242®, 263, 282®, 625, 718, HASTELLOY® X および HAYNES® Waspaloy 合金

Turbine Engine (J)

燃焼器
HAYNES® 230®, 188, 263, 617, 625, および HASTELLOY® X 合金

排気部
HAYNES® 25, 188, 282®, 625, 718, HASTELLOY® X, HAYNES® Waspaloy および R-41合金

当社の航空宇宙用合金:

HAYNES® 25 alloy
HAYNES® 25 合金は、1800°F (980°C)までの優れた強度、良好な耐酸化性、ならびに比較的良好な耐摩耗性および耐かじり性を提供すます。ガスタービン部品に使用されます。

HAYNES® 75 alloy
HAYNES® 75 合金は、低応力のガスタービン部品や工業用途に使用される基本的な耐熱合金です。

HAYNES® 188 alloy
HAYNES® 188 合金は、コバルト – ニッケル – クロム – タングステン合金で、2000°F (1095°C)までの優れた高温強度とより優れた耐酸化性、ならびに熱安定を提供します。この合金は、過酷な軍用および民間航空機用ガスタービンエンジンの燃焼器、尾筒、ならびにアフターバーナー構成部品に広く使用されます。

HAYNES® 214® alloy
HAYNES® 214® 合金は、従来の成形と接合を可能にすると同時に、鍛錬材料に最適な高温耐酸化性を提供するように設計されたニッケル – クロム – アルミニウム – 鉄合金です。 この合金は2360°F(1260°C)までの優れた耐酸化性を有しており、ハニカムシール、燃焼器のスプラッシュプレートおよびその他の静的酸化制限部品などの過酷で特殊なガスタービン構成部品に使用されます。

HAYNES® 230® alloy
HAYNES® 230® 合金は、高温強度、長時間暴露のための2100°F(1149°C)までの耐酸化性、優れた長期熱安定性、および主要な耐熱合金と同様の加工性、の最適な組み合わせを提供するニッケル – クロム – タングステン – モリブデン合金です。この合金は、燃焼筒、尾筒、フレームホルダー、熱電対シース、およびその他の重要なガスタービン構成部品に使用されます。

HAYNES® 242® alloy
HAYNES® 242®合金は、時効時に長距離秩序反応によって強度を引き出す時効硬化型のニッケル – モリブデン – クロム合金です。 この合金は、1300°F(705°C)までの優れた強度、低熱膨張特性、815°C(1500°F)までの良好な耐酸化性、優れた低サイクル疲労特性、非常に良好な熱安定性、および加工性を提供します。 この合金は、ガスタービンのシールリング、コンテインメント部材、および高強度の締め付け金具に使用されています。

HAYNES® 244® alloy
HAYNES® 244® 合金は、新しい、時効硬化型のニッケル – モリブデン -クロム – タングステン合金で、運用温度域は1400°F (760°C)まで拡大されています。この合金は、HAYNES® 242®に対してより低い熱膨張特性を有しているだけでなく、改良された引張強度およびクリープラプチャー強度を有しています。 それに加えて、この合金は、優れた低サイクル疲労特性と良好な耐酸化性を有しています。より高い強度とより低い熱膨張特性は、航空エンジン設計者により良好な寸法制御、シールおよびコンテインメント特性を提供します。

HAYNES® 263 alloy
HAYNES® 263 合金は、1000〜1400°F(540〜760°C)の温度範囲で良好な強度を有し、優れた成形性および溶接性を備えた、ガンマプライム強化型の時効硬化合金です。

HAYNES® 282® alloy
HAYNES® 282® 合金は、高温構造用途、特に航空用および陸用ガスタービンエンジン用に開発された、新しい、鍛錬用のガンマプライム強化型超合金です。 この合金は、クリープ強度、熱安定性、溶接性、および加工性において、現在入手可能な市販の合金には見られないユニークな組み合わせを有しています。 この新しい合金は、1200〜1700°F(649〜927℃)の温度範囲で、Waspaloy合金を上回る、R-41合金に近い優れたクリープ強度を有しています。 この合金の特徴は、薄板加工、鍛造リングおよびケース、排気およびノズル構造、および他の高温ガス流路部品のような重要なガスタービン用途に適しています。

HAYNES® 617 alloy
HAYNES® 617合金は、ガスタービンの燃焼筒、ダクトおよび尾筒に広く使用されます。

HAYNES® 625 / 625SQ® alloy
HAYNES® 625 および625SQ®合金は、多種多様な航空宇宙用部品に使用されます。 625SQ®合金グレードは、ベローズタイプの用途に対して改善されたLCF特性を提供します。

HAYNES® 718 alloy
HAYNES® 718合金は、1200°F(650°C)までの優れた強度を有する時効硬化合金です。 ガスタービン構成部品に幅広く使用されます。

HAYNES® R-41 alloy
HAYNES® R-41合金は、1000-1650°F(540-900°C)の温度範囲で優れた強度を有する、ガンマプライム強化型の時効硬化合金です。 重要なガスタービンエンジン部品に使用されます。

HASTELLOY® S alloy
HASTELLOY® S合金は、優れた熱安定性、良好な熱疲労耐性、良好な耐酸化性および比較的低い膨張特性を提供します。 低応力のガスタービン部品に使用されます。

HAYNES® Waspaloy alloy
HAYNES® Waspaloy合金は、1000-1650°F(540-900°C)の温度範囲で非常に良好な強度を有するガンマプライム強化型の時効硬化合金です。 ガスタービンおよび航空宇宙用の鍛造および加工部品に広く使用されます。

HASTELLOY® W alloy
HASTELLOY® W合金は、異種の耐熱合金の溶接に優れています。 航空機エンジンの修理およびメンテナンスに幅広く使用されます。

HASTELLOY® X alloy
HASTELLOY® X 合金は、航空宇宙用途で50年間近く使用されているニッケル – クロム – 鉄 – モリブデン合金です。 この合金は、高温強度、耐酸化性、および加工性のバランスが非常に良好です。 この合金は、尾筒、燃焼筒、スプレーバーおよびフレームホルダー、アフターバーナー、およびテールパイプなどの航空用および産業用ガスタービンエンジンの燃焼器および排気構成部品の加工に広く使用されています。

HAYNES® Ti-3Al-2.5-V alloy
HAYNES® Ti-3Al-2.5-V合金は、航空機の油圧および燃料システムの伝送ライン用に開発されました。これは、主に強度対重量比が高いためです。 この比は、要求される強度レベルを提供するために油圧配管系統に使用されるときに大きな利点であることを示していますが、より重要なことは、ステンレス鋼に比べて重量を43%も削減します。