化学プロセス

ヘインズ・インターナショナルの合金は、75年以上にわたって化学プロセス産業(CPI)における腐食問題を解決するために使用されてきました。 主な商標、HASTELLOY®合金は、その品質と高い性能のために世界中で高い評価を受けています。1980年代および1990年代には、低温および高温耐食性アプリケーションの両方を含む重要な産業問題を解決するために、さまざまな製品が発明され市場に導入されました。

これらの合金には次のようなものがあります: C-22®、G-30®、C-2000®、ULTIMET、G-35®、B-3®、HR-120®、HR-160®、および230® 合金。21世紀に入ってから、C-22HS®、HYBRID-BC1®、およびHR-235といった追加の合金が発明され、市場に導入され、そして特定の顧客の問題を解決するために設計されました。この期間を通じて、高品質のHASTELLOY® C-276およびC-4合金も化学プロセス産業向けに提供されました。

これらの合金は、反応器、撹拌機、熱交換器、再沸器、カラム、トレイ、パッキン、配管、継ぎ手、バルブ、ポンプ、フィルター、乾燥器、および熱酸化装置に使用されます。 これらの合金は、低温および高温での運用において、ステンレス鋼、スーパーステンレス鋼および二相ステンレス鋼よりも優れた性能を発揮します。

当社の化学プロセス用合金:

HASTELLOY® B-3®alloy
HASTELLOY® B-3® は、純粋な塩酸、臭酸、および硫酸に対して極めて高い耐性を示します。 さらに、以前のBタイプ合金と比較して構造的安定性が大幅に改善され、溶接、加工、およびサービス中の懸念が少なくなっています。

HASTELLOY® C-4 alloy
HASTELLOY® C-4 合金は、多くの腐食性化学物質、特に、塩酸、硫酸および塩化物に対して耐性があることで良く知られており、広く使用されているニッケル – クロム – モリブデン材料の中で(ミクロ組織的に)最も安定しています。ここでいう安定性とは、合金が鋭敏化、すなわち、溶接熱影響域 (HAZ)の結晶粒界における核生成や有害な第二相析出物の成長の恐れがなく溶接できることを意味しています。

HASTELLOY® C-22® alloy
HASTELLOY® C-22® 合金は、よく知られ、且つ十分に実証されたニッケル – クロム – モリブデン材料のひとつで、酸化性および非酸化性化学物質に対する耐性があり、孔食、すきま腐食および応力腐食割れからの保護が主要な特質です。その高いクロム含有量は、C系列合金の標準であるC-276合金よりも酸化媒体に対する高い耐性を提供し、ステンレス鋼が腐食しやすい、潜在的かつ予測不能な腐食形態である塩化物誘引孔食に対して並はずれた耐性を付与します。

HASTELLOY® C-22HS® alloy
HASTELLOY® C-22HS®合金は、酸性および還元性の両方の酸に対する優れた耐性を有する汎用のニッケル – クロム – モリブデン合金で、非常に高い強度を得るために熱処理することができます。石油・ガス業界において、非常に高い強度とより優れた耐食性を要求される用途向けに、棒、ビレット、チューブおよびパイプの製品形態で使用されています。 この合金は、高温、高圧井戸に特に適しており、他のニッケル基合金よりも著しく高い強度レベルで製造することができます。 この合金は、401ºF (205ºC) までの温度で5 g/ℓ の単体硫黄 を含むNACE MRO175 / ISO 15156 Level VII環境に適合しており、修正NACEレベルVIIの、仕様最高レベルの550ºF(288ºC)で25%NaCl + 1000psi(7000kPa)CO2 + 1000psi(7000kPa)H2Sという環境にも適合しています。 カバーされる最大の硬度および降伏強度は、HRc43および205ksiです。

HASTELLOY® C-276 alloy
HASTELLOY® C-276合金は、(炭素とシリコンの含有量がきわめて低いことに起因する)溶接に関する懸念を緩和するために、最初に作られたニッケル – クロム – モリブデン材料です。それにより、この合金は化学プロセスおよび関連業界で広く受け入れられており、今では、膨大な数の腐食性化学物質の中で性能実証された50年の実績があります。

HASTELLOY® C-2000® alloy
HASTELLOY® C-2000® 合金は、意図的に銅を添加した汎用ニッケル – クロム – モリブデン材料の中でもユニークな合金です。 これにより、硫酸に対する耐性が大幅に向上します。 また、酸化性化学物質およびイオンと溶存酸素で汚染されたプロセス流に対する耐性を最大化するために、クロム含有量を高めています。

HASTELLOY® G-30® alloy
HASTELLOY® G-30® 合金は、“湿式法”で製造されたリン酸(P2O5)に対して高い耐性を持つニッケル – クロム – 鉄材料です。 P2O5は、農業化学肥料の主なリン源となる最も重要な工業用化学物質のひとつです。 G-30®合金は、塩化物誘引局部腐食に対しても中程度の耐性を示します。 さらに、G-30®合金は、ステンレス鋼よりも塩化物誘引応力腐食割れに対して感受性が低くなっています。

HASTELLOY® G-35® alloy
HASTELLOY® G-35®合金は、肥料の製造に使用される“湿式法”で製造されたリン酸(P2O5)に耐えるように開発されました。 実環境試験では、G-35®合金は、この酸の中で他の金属材料よりはるかに優れていることが示されています。 この合金は、塩化物の存在下での局部腐食に耐性を持つようにも設計されています。なぜなら、この局部腐食は、“湿式法”で製造されたリン酸を濃縮するために使用する蒸発器の堆積物の下で問題となり得るからです。 さらに、G-35®合金は、“湿式法”で製造されたリン酸中で伝統的に使用されているステンレス鋼およびニッケル – クロム – 鉄合金よりも塩化物誘引応力腐食割れに対する感受性がはるかに低くなっています。

HYBRID-BC1® alloy
HYBRID-BC1® 合金は、ニッケル – クロム – モリブデン(C-タイプ)合金よりも塩酸、臭酸、硫酸に対してより高い耐性を有しており、酸化種の存在を許容することができます。 この合金はまた、孔食およびすきま腐食に対して極めて高い耐性を示します。

ULTIMET®
ULTIMET®合金は、ニッケル基のHASTELLOY® Gタイプ合金が持つ多くの腐食特性と、コバルト基のSTELLITE®合金が持つ多くの摩耗特性を、単一の高い溶接性の材料で提供します。 この合金は、かじり及びキャビテーション侵食を助長する条件の下で優れています。

HAYNES® 230® alloy
HAYNES® 230® 合金は、高温強度、長時間暴露のための2100°F(1149°C)までの耐酸化性、優れた長期熱安定性、および主要な耐熱合金と同様の加工性、の最適な組み合わせを提供するニッケル – クロム – タングステン – モリブデン合金です。この合金は、燃焼筒、尾筒、フレームホルダー、熱電対シース、およびその他の重要なガスタービン構成部品に使用されます。

HAYNES® HR-120® alloy
HAYNES® HR-120® 合金は、工業環境に対して良好な耐性を有する経済的な高強度合金です。330合金、800H合金および各種ステンレス鋼からのアップグレード用合金として、熱処理用治具および工業用加熱用途向けに設計されています。耐浸炭性および耐硫化性に優れています。

HAYNES® HR-160® alloy
HAYNES® HR-160® 合金は、硫化および他の高温腐食環境に対して優れた耐性を有しています。 廃棄物焼却、ボイラ、高温反応容器および回転式仮焼炉などに使用されます。

HAYNES® HR-235® alloy
HAYNES® HR-235® 合金は、炭素を含む高温環境下でのメタルダスティングに対して優れた耐性を有しています。