HAYNES® 25 合金

主な特徴

優れた高温強度および良好な耐酸化性

HAYNES® 25 合金(UNS R30605)は、長時間の曝露に対して、1800℉(982℃)以下の酸化環境に対する良好な耐性を伴った優れた高温強度と、優れた耐硫化性を併せ持つコバルト – ニッケル– クロム – タングステン合金です 。この合金は、従来の技術によって加工および成形することができ、鋳造部品にも使用されています。 他の魅力的な特徴としては、耐かじり性に優れていることがあります。

用途

HAYNES® 25 合金は、実用化された軍用および商業用のガスタービンエンジンの部品などの航空宇宙産業における多くの部品用途に適した特性を兼ね備えています。現代のエンジンでは、この合金に替わって HAYNES®188 合金、そして、ご く最近では改良された特性を有する 230®合金のよ うな、より新しい材料が使用されています。25 合金の重要な用途の他の領域は軸受材料で、ボールおよびレースの両方に使用されています。

*この合金に関して技術的なご質問がある場合は、当社の技術支援チームにご連絡ください。

標準組成

重量 %
コバルト:Co 51 Balance
ニッケル:Ni 10
鉄:Fe 3 max.
クロム:Cr 20
モリブデン:Mo 1 max.
タングステン:W 15
マンガン:Mn 1.5
ケイ素:Si 0.4 max.
炭素:C 0.1

クリープおよびストレスラプチャー強度

HAYNES® 25 合金は、優れた高温強度を持つ固溶強化型材料です。この合金は、1200〜1800℉(649〜982℃)の温度で長期間使用する場合に特に有効です。この合金は、ニッケル基固溶強化型合金よりも強度があり、優れた加工特性を有するコバルト基材料の中でも最も強度が あります。

溶体化処理した薄板*

温度 クリープ 下記時間で所定のクリープを生じるおおよその初期応力:
10 h 100 h 1,000 h
°F °C % ksi MPa ksi MPa ksi MPa
1200 649 0.5 62.0 427 47.5 328 33.5** 231**
1 71.0 490 54.0 372 39.0** 269**
R 82.0 565 69.0 476 57.0 393
1300 704 0.5 43.0 296 30.0** 207** 21.0** 145**
1 49.5 341 35.0 241 23.2** 160**
R 64.0 441 50.0 345 38.0 262
1400 760 0.5 28.0 193 19.5 134 14.8** 102**
1 32.0 221 21.5 148 16.2** 112**
R 47.0** 324** 36.0 248 26.0 179
1500 816 0.5 18.5 128 14.0 97 10.2** 70**
1 20.2 139 15.5 107 12.3** 85**
R 34.0** 234** 24.7 170 18.1 125
1600 871 0.5 13.7 94 9.9 68 6.9** 48**
1 15.2 105 12.0 83 8.9** 61**
R 24.0** 165** 17.5 121 12.0 83
1700 927 0.5 9.7 67 6.8 47 4.5** 31**
1 12.0 83 8.8 61 5.6 39
R 17.3** 119** 11.8 81 7.2 50
1800 982 0.5 6.8 47 4.5 31 2.6 18
1 8.8 61 5.6 39 3.0 21
R 11.8** 81** 7.2 50 4.0 28
2000 1093 0.5 2.8 19 1.3 9.0
1 3.3 23 1.4 9.7
R 4.5 31 2.0 14

*限られたデータに基づいた値
**著しく外挿した値
R= ラプチャー(破断)

溶体化処理した棒*

温度 下記時間でラプチャー(破断)を生じるおおよその初期応力
10 h 100 h 1,000 h
°F °C ksi MPa ksi MPa ksi MPa
1350 732 42.5 293 36.5 252 30.3 209
1400 760 39.2 270 31.5 217 24.1 166
1500 816 30.0 207 22.0 152 17.0 117
1600 871 23.0 159 16.5 114 12.0 83
1700 927 17.0 117 12.0 83 8.4 58
1800 982 11.5 79 7.5 52 5.0 34

ラプチャー強度の比較、薄板

引張特性

溶体化処理した薄板*

試験温度 0.2% 耐力 極限引張強さ 伸び
°F °C ksi MPa ksi MPa %
RT 68.7 474 145.1 1000 58.8
1000 538 38.4 265 122.1 842 71.0
1200 649 33.4 230 123.5 852 64.3
1400 760 34.4 237 86.0 593 45.7
1600 871 32.0 221 48.3 333 104.7
1800 982 18.7 129 27.3 188 113.7
2000 1093 9.3 64 14.5 100 97.5

*限られたデータ

溶体化処理した厚板

試験温度 0.2% 耐力 極限引張強さ 伸び
°F °C ksi MPa ksi MPa %
RT 69.0 476 144.5 996 54.7
1000 538 38.8 268 119.0 820 63.4
1200 649 37.2 256 119.3 823 54.2
1400 760 35.5 245 82.5 569 33.9
1600 871 33.5 231 46.3 319 97.8
1800 982 18.6 128 25.8 178 94.1
2000 1093 9.0 62 13.3 92 63.0

熱間圧延および 2250℉ (1232℃) で溶体化処理した棒*

試験温度 0.2% 耐力 極限引張強さ 伸び
°F °C ksi MPa ksi MPa %
RT 73 505 147 1015 60
1000 538 43 295 113 780 63
1200 649 43 295 105 725 49
1400 760 41 285 90 620 29
1600 871 34 235 54 370 29
1800 982 19 130 28 195 41

*限られたデータ
RT = 室温

棒に対する高温引張試験を、以前の標準であったひずみ速度で実施しました。これらの結果は 降伏するまでのひずみ速度が 0.005 in/in/minで、降伏から破断に至るまでは試験片平行部対するクロスヘッド速度を 0.5 in/min となるように試験して得られたものです。現在の標準では、降伏するまでは 0.005 in/in/min のひずみ速度を用い、降伏から破断に至るまでは、試験片平行部に対するクロスヘッド速度が 0.05 in/min となるようにします。

硬度および結晶粒サイズ

形態 硬度, HRBW 典型的な ASTM 結晶粒度
薄板 97 3.5 - 5.5
厚板 99 3.5 - 5
98 3.5 - 5

試験した全ての試料は溶体化処理済み。
HRBW = ロックウェル硬さ”B”、タングステン球圧子

冷間加工特性

HAYNES® 25 合金は、冷間加工された状態で優れた強度と硬度の特性を有しています。 これらの高い特性レベルは高温でも明らかであり、25 合金をボールベアリングやベアリングレースなどの用途に本当に適したものにしています。冷間加工された材料を時効処理することにより、硬度および強度を適度に追加して増加させることができます。

冷間加工した薄板の典型的な引張特性*

圧下率 試験温度 0.2% 耐力 極限引張強さ 伸び
% °F °C ksi MPa ksi MPa %
10 70 20 105 725 155 1070 41
100 540 78 540 114 785 48
1200 650 80 550 115 795 37
1400 760 67 460 87 600 8
1600 870 47 325 62 425 13
1800 980 27 185 39 270 15
15 70 20 124 855 166 1145 30
1000 540 107 740 134 925 29
1200 650 111 765 129 890 15
1400 760 86 595 104 715 5
1600 870 52 360 70 485 9
1800 980 30 205 40 275 5
20 70 20 141 970 183 1260 19
1000 540 133 915 156 1075 18
1200 650 120 825 137 945 2
1400 760 96 660 107 740 3
1800 980 30 205 41 285 4

*冷間圧延した 0.050-inch (1.3 mm) 厚さの薄板に対する限られたデータ

冷間加工および時効処理した薄板の典型的な引張特性*

条件 試験温度 0.2% 耐力 極限引張強さ 伸び
% °F °C ksi MPa ksi MPa %
15% CW + Age A 70 20 136 940 168 1160 31
1200 650 104 715 128 885 23
20% CW + Age A 70 20 152 1050 181 1250 17
1000 540 129 890 151 1040 19
1200 650 128 885 144 995 8
1400 760 97 670 108 745 2
1600 870 59 405 74 510 6
1800 980 33 230 43 295 5
20% CW + Age B 70 20 162 1115 191 1315 16
600 315 132 910 165 1140 28
1000 540 124 855 149 1025 23
1200 650 119 820 140 965 13
1400 760 92 635 116 800 7
1600 870 50 345 71 490 9
1800 980 31 215 42 290 12

*冷間圧延した 0.050-inch (1.3 mm) 厚さの薄板に対する限られたデータ
時効 A = 700ºF(371ºC)/1 時間
時効 B = 1100ºF (593ºC)/2 時間

冷間加工および時効処理した薄板の 70℉ (21℃) における典型的な硬度*

圧下率 記載されたレベルの冷間加工、および引き続いて時効処理した後の ロックウェル硬さ C
900°F (480°C) 1100°F (595°C)
% 時効無し 5 h 5 h
時効無し 24 25 25
5 31 33 31
10 37 39 39
15 40 44 43
20 44 44 47

*冷間圧延した 0.070 inch (1.8 mm) 厚さの薄板に対する限られたデータ

衝撃強度

厚板の衝撃強度特性

試験温度 典型的なシャルピー Vノッチ衝撃強さ
°F °C ft.-lbs. J
-321 -196 109 148
-216 -138 134 182
-108 -78 156 212
-20 -29 179 243
RT RT 193 262
500 260 219 297
1000 540 201 273
1200 650 170 230
1400 760 143 194
1600 870 120 163
1800 980 106 144

熱安定性

HAYNES® 25 合金は、中間温度で長時間曝露されると、HASTELLOY® X 合金や 625 合金のような他の固溶強化型超合金とほぼ同じように、室温延性の低下を示します。この挙動は、有害相が析出した結果として生じます。25 合金の場合、問題となる相は Co2W ラーベス相です。HAYNES® 188 合金は、この点に関しては 25 合金よりも著しく優れています; しかしながら、熱安定性が重要な用途に対しては、230® 合金はさらに良い選択肢です。

熱曝露後の薄板の室温特性*

曝露温度 曝露時間 0.2% 耐力 極限引張強さ 伸び
°F °C h ksi MPa ksi MPa %
熱曝露無し 0 66.8 460 135.0 930 48.7
1200 650 500 70.3 485 123.6 850 39.2
1000 92.3 635 140.0 965 24.8
2500 95.1 655 130.7 900 12.0
1400 760 100 68.9 475 115.3 795 18.1
1600 870 100 72.1 495 113.6 785 9.1
500 77.3 535 126.1 870 3.5
1000 81.7 565 142.0 980 5.0

*複数の薄板ロットの試験結果を複合

物理的特性

物理的特性 英国単位 メートル単位
密度 RT
0.327 lb/in3
RT
9.07 g/cm3
溶融温度 2425-2570°F 1330-1410°C
電気抵抗 RT 34.9 µohm-in RT 88.6 µohm-cm
200°F 35.9 µohm-in 100°C 91.8 µohm-cm
400°F 37.6 µohm-in 200°C 95.6 µohm-cm
600°F 38.5 µohm-in 300°C 97.6 µohm-cm
800°F 39.1 µohm-in 400°C 98.5 µohm-cm
1000°F 40.4 µohm-in 500°C 100.8 µohm-cm
1200°F 41.8 µohm-in 600°C 104.3 µohm-cm
1400°F 42.3 µohm-in 700°C 106.6 µohm-cm
1600°F 40.6 µohm-in 800°C 107.8 µohm-cm
1800°F 37.7 µohm-in 900°C 101.1 µohm-cm
1000°C 95.0 µohm-cm
熱拡散率 70°F
4.4 x 10-3in2/sec
RT
28.3 x 10-3cm2/sec
125°F
4.6 x 10-3in2/sec
100°C
30.1 x 10-3cm2/sec
200°F
4.8 x 10-3in2/sec
200°C
32.7 x 10-3cm2/sec
400°F
5.5 x 10-3in2/sec
300°C
35.6 x 10-3cm2/sec
600°F
6.0 x 10-3in2/sec
400°C
41.2 x 10-3cm2/sec
800°F
6.5 x 10-3in2/sec
500°C
43.5 x 10-3cm2/sec
1000°F
6.9 x 10-3in2/sec
600°C
45.5 x 10-3cm2/sec
1200°F
7.3 x 10-3in2/sec
700°C
47.6 x 10-3cm2/sec
1400°F
7.6 x 10-3in2/sec
800°C
49.6 x 10-3cm2/sec
1600°F
7.7 x 10-3in2/sec
900°C
48.7 x 10-3cm2/sec
1800°F
7.9 x 10-3in2/sec
1000°C
51.6 x 10-3cm2/sec
2000°F
8.3 x 10-3in2/sec
熱伝導率 70°F
72 Btu-in/ft2-h-°F
25°C 10.5 W/m-°C
125°F
77 Btu-in/ft2-h-°F
100°C 12.0 W/m-°C
200°F
83 Btu-in/ft2-h-°F
200°C 14.0 W/m-°C
400°F
99 Btu-in/ft2-h-°F
300°C 15.9 W/m-°C
600°F
114 Btu-in/ft2-h-°F
400°C 17.7 W/m-°C
800°F
127 Btu-in/ft2-h-°F
500°C 19.5 W/m-°C
1000°F
140 Btu-in/ft2-h-°F
600°C 21.2 W/m-°C
1200°F
152 Btu-in/ft2-h-°F
700°C 22.9 W/m-°C
1400°F
165 Btu-in/ft2-h-°F
800°C 24.5 W/m-°C
1600°F
178 Btu-in/ft2-h-°F
900°C 26.0 W/m-°C
1800°F
191 Btu-in/ft2-h-°F
1000°C 27.5 W/m-°C
2000°F
201 Btu-in/ft2-h-°F
比熱 70°F 0.096 Btu/lb.-°F 25°C 403 J/kg-°C
125 °F 0.098 Btu/lb.-°F 100 °C 424 J/kg-°C
200 °F 0.101 Btu/lb.-°F 200°C 445 J/kg-°C
400 °F 0.106 Btu/lb.-°F 300°C 455 J/kg-°C
600°F 0.111 Btu/lb.-°F 400°C 462 J/kg-°C
800°F 0.116 Btu/lb.-°F 500°C 495 J/kg-°C
1000°F 0.119 Btu/lb.-°F 600°C 508 J/kg-°C
1200°F 0.123 Btu/lb.-°F 700°C 582 J/kg-°C
1400°F 0.128 Btu/lb.-°F 800°C 592 J/kg-°C
1600°F 0.137 Btu/lb.-°F 900°C 596 J/kg-°C
180 °F 0.143 Btu/lb.-°F 1000°C 598 J/kg-°C
2000°F 0.142 Btu/lb.-°F
平均熱膨張係数 70 - 200°F 7.1 µin/in.-°F 25 - 100°C 12.8 µm/m-°C
70 - 400°F 7.3 µin/in.-°F 25 - 200°C 13.1 µm/m-°C
70 - 600°F 7.5 µin/in.-°F 25 - 300°C 13.3 µm/m-°C
70 - 800°F 7.7 µin/in.-°F 25 - 400°C 13.7 µm/m-°C
70 - 1000°F 7.9 µin/in.-°F 25 - 500°C 14.0 µm/m-°C
70 - 1200°F 8.2 µin/in.-°F 25 - 600°C 14.6 µm/m-°C
70 - 1400°F 8.6 µin/in.-°F 25 - 700°C 15.1 µm/m-°C
70 - 1600°F 8.9 µin/in.-°F 25 - 800°C 15.8 µm/m-°C
70 - 1800°F 9.2 µin/in.-°F 25 - 900°C 16.2 µm/m-°C
70 - 2000°F 9.5 µin/in.-°F 25 - 1000°C 16.7 µm/m-°C
動弾性係数 RT
32.6 x 106psi
RT 225 GPa
200°F
32.3 x 106psi
100°C 222 GPa
400°F
31.0 x 106psi
200°C 214 GPa
600°F
29.4 x 106psi
300°C 204 GPa
800°F
28.3 x 106psi
400°C 197 GPa
1000°F
26.9 x 106psi
500°C 188 GPa
1200°F
25.8 x 106psi
600°C 181 GPa
1400°F
24.3 x 106psi
700°C 174 GPa
1600°F
22.8 x 106psi
800°C 163 GPa
1800°F
21.4 x 106psi
900°C 154 GPa
1000°C 146 Gpa

RT= 室温

耐摩耗性

HAYNES® 25 合金は、金属のかじりやキャビテーションに対して優れた耐性を示します。以下に示す金属と金属のかじり試験の結果は、標準的な同一材による室温ピン・オン・ディスク試験で得られたものです。摩耗の深さは、適用された負荷の関数として与えられます。キャビテーション試験は、ASTM G 32 に従って、16℃の水で、周波数20kHz、振幅0.05mmで行いました。 摩耗試験の結果、25合金は、多くの材料に対して耐かじり性と耐キャビテーション性に優れており、ULTIMET® 合金とHAYNES® 6B合金のみが25合金を上回っています。これらの材料は両方とも、優れた耐摩耗性を有するように特別に設計されています。

合金 耐かじり性 - 様々な負荷に対する損傷の程度
3,000 lbs. (1,365 kg) 6,000 lbs. (2,725 kg) 9,000 lbs. (4,090 kg)
mils µm mils µm mils µm
6B 0.02 0.6 0.03 0.7 0.02 0.5
ULTIMET® 0.11 2.9 0.11 2.7 0.08 2.0
25 0.23 5.9 0.17 4.2 0.17 4.2
188 1.54 39.2 3.83 97.3 3.65 92.6
HR-160® 1.73 43.9 4.33 109.9 3.81 96.8
214® 2.32 59.0 3.96 100.5 5.55 141.0
556® 3.72 94.4 5.02 127.6 5.48 139.3
230® 4.44 112.7 7.71 195.8 8.48 215.5
HR-120® 6.15 156.2 7.05 179.0 10.01 254.2
合金 キャビテーション - 平均浸食深さ
24 h 48 h 72 h 96 h
mils µm mils µm mils µm mils µm
ULTIMET® 0.3 6.8 0.9 22.9 1.6 40.2 2.3 57.4
6B 0.3 7.7 0.9 22.3 1.4 34.8 1.9 48.0
25 1.0 24.4 2.1 53.6 3.4 85.6 4.5 115.1
625 3.1 80.0 7.0 176.6 10.2 259.2 Not tested Not Tested
556® 3.3 83.8 6.9 175.8 9.6 244.3 11.4 289.8
230® 3.8 97.6> 7.5 190.1 9.9 251.8 11.9 301.7

ASTM G32に従って、16℃の水で、周波数20 kHz、振幅0.05 mm の条件で試験。

高温硬度

次に示すのは、真空炉での標準高温硬さ試験で得られたた結果です。値は、最初に測定したDPH (ビッカース) 単位で示しており、ロックウェル C/B スケールへの換算値はカッコ内に示しています。

条件 ビッカース硬さ (ロックウェル C/BW 硬さ)
70°F (20°C) 800°F (425°C) 1000°F (540°C) 1200°F (650°C) 1400°F (760°C)
溶体化処理 251 22 HRC 171 87 HRBW 160 83 HRBW 150 80 HRBW 134 74 HRBW
圧下率 15% 348 35 HRC 254 23 HRC 234 97 HRBW 218 95 HRBW
圧下率 20% 401 41 HRC 318 32 HRC 284 27 HRC 268 25 HRC
圧下率 25% 482 48 HRC 318 32 HRC 200 30 HRC 286 28 HRC

HRBW = ロックウェル硬さ “B”
HRC = ロックウェル硬さ “C”

耐水溶液腐食性

HAYNES® 25 合金は、腐食性の水性媒体に対する耐性があるようには設計されていません。比較のために、代表的な平均腐食データを示します。水溶液環境で耐食性が要求される用途に対しては、ULTIMET® 合金と HASTELLOY® 耐食性合金を考慮する必要があります。

合金 年当たりの平均腐食速度
1% HCl (沸騰) 10% H2SO4 (沸騰) 65% HNO3 (沸騰)
mils mm mils mm mils mm
ULTIMET® <1 <0.03 99 2.51 6 0.15
C-22® 3 0.08 12 0.30 134 3.40
25 226 5.74 131 3.33 31 0.79
Type 316L 524 13.31 1868 47.45 9 0.23

耐酸化性

HAYNES® 25 合金は、空気および燃焼ガスの両方の酸化環境に対して良好な耐性を示し, 1800℉(982℃)以下の温度での長期連続曝露に対して使用できます。短時間の曝露に対しては、より高い温度で 25 合金を使用することができます。耐酸化性が重視される用途に対しは、通常、230® 合金あるいは HAYNES® 188 合金のような、より新しい、より能力の高い材料が必要になります。これは、1800℉(982℃)以上の温度で特に重要です。

1800℉(980℃)で1000時間曝露した時のバーナーリグ耐酸化性の比較

合金 メタルロス 平均酸化層厚さ 最大酸化層厚さ
mils µm mils µm mils µm
188 1.1 28 3.2 81 3.9 99
230® 2.8 71 5.6 142 6.4 163
617 2.4 61 5.7 145 6.9 175
625 3.7 94 6.0 152 6.6 168
X 4.3 109 7.3 185 8.0 203
5 7.8 198 9.8 249 10.3 262
310SS 16.0 406 18.3 465 19.5 495
800H 22.9 582 内部酸化が板厚を貫通

酸化試験パラメータ

バーナーリグ酸化試験は、3/8” x 2.5” x 特定厚さ (9mm x 64 mm x 特定厚さ)の試料を回転式の保持具に取付け、No.2 燃料油を空気と燃料の比率が約50:1の条件で燃焼させたときにできる燃焼ガス中に曝露して実施しました。(燃焼ガスの流速は約0.3マッハ数でした。) 試料は30分毎に自動的にガス流から取り出し、ファンで外気温度近くまで冷却した後、燃焼ガス流中に戻しました。

2000℉ (1095℃) で 500時間曝露した時のバーナーリグ耐酸化性の比較

合金 片面当たりの平均メタルロス 最大酸化層厚さ
mils µm mils µm
214® 1.2 30.5 1.8 45.7
230® 7.1 180.3 11.8 299.7
188 10.9 276.9 14.1 358.1
X 11.6 294.6 15.1 383.5
25 > 25* >635*

* 165時間で 25 mils (635 µm よりも大きい

空気流中での耐酸化性の比較*

合金 1800°F (980°C) 2000°F (1095°C) 2100°F (1150°C)
平均 酸化層厚さ** 平均 メタルロス 平均 酸化層厚さ** 平均 メタルロス 平均 酸化層厚さ** 平均 メタルロス
- mils µm mils µm mils µm mils µm mils µm mils µm
188 1.1 28 0.1 3 3.7 94 0.5 13 10.7 272 8.6 218
230® 1.5 38 0.2 5 3.3 84 0.5 13 4.4 112 1.2 30
25 2.0 51 0.3 8 10.2 259 9.2 234 10.7 272 8.2 208
X 1.5 38 0.2 5 4.4 112 1.3 33 6.1 115 3.6 91
625 1.9 48 0.4 10 7.8 198 3.5 89 20.2 513 18.3 465
617 2.0 51 0.3 8 3.8 97 0.6 15 5.2 132 1 25
800HT 4.1 104 0.5 13 11.6 295 7.6 193 15.0 381 11 279

*空気流は、7.0 ft/min (213.4 cm/min) の速度で試料を通過。1週間に1回のサイクルで試料を室温まで冷却。
**メタルロス + 平均内部酸化層厚さ

耐硫化性

1400℉ (760℃)での耐硫化性

HAYNES® 25 合金は、さまざまな産業用途で遭遇するガス状の硫化環境に対して非常に良好な耐性を持っています。試験は、アルゴン中に 5%H2、5%CO、1%CO2、および 0.15%H2S を含む混合ガス中で、1400℉(760℃)で行いました。試験片は、215時間曝露されました。この試験は、平衡硫黄分圧が10-6〜10-7atmaで、酸素分圧が保護クロム酸化スケールを生成するのに必要な値よりも 低い条件での厳しい試験です。
 

環境試験の評価に使用した金属組織学的手法の模式図

加工

HAYNES® 25合金は、良好な成形性と溶接性を有しています。この合金は、部材全体が2200℉(1204℃)に達するのに十分な時間この温度で保持されるならば、鍛造、あるいは熱間加工することができます。この合金は良好な延性を有しており、冷間加工でも成形することができます。しかしながら、この合金は非常に急速に加工硬化するので、複雑な部品成形作業に対しては頻繁な中間アニールが必要となります。最良の特性バランスを回復させるためには、熱間または冷間加工した部品は全てアニールし、急冷する必要があります。この合金は、ガスタングステンアーク溶接(GTAW)、ガスメタルアーク溶接(GMAW)、シールドメタルアーク溶接、電子ビーム溶接および抵抗溶接など、手動および自動溶接の両方で溶接することができます。この合金は、良好な溶接拘束特性を有しています。

熱処理

HAYNES® 25合金は、特に指定がなければ、溶体化処理した状態で提供されます。この合金は、最適な特性を得るために、通常、2150~2250℉(1177~1232℃)で断面厚さに応じた時間保持されて最終熱処理され、急速空冷または水冷されます。加工中のアニーリングは低温で行うことができますが、溶体化処理温度よりも低い温度でのアニーリングは、25合金中に、合金特性に影響する可能性がある炭化物を析出させるため、最適な特性と組織を得るためには、その後に最終の溶体化処理をすることが必要です。

機械加工

機械加工に関する情報は、”溶接及び加工”パンフレットの機械加工のセクションをご覧ください。

室温特性に対する冷間圧延の影響*

圧下率 圧延後の アニール 0.2% 耐力 極限引張強さ 伸び Hardness
% - ksi MPa ksi MPa % HRC
0 無し 68.4 470 144.0 995 58.5 24
10 123.6 850 181.9 1255 37.1 36
15 148.5 1025 178.2 1230 27.7 40
20 150.9 1040 193.5 1335 18.2 42
25 183.9 1270 232.5 1605 14.6 44
10 1950℉ (1066℃)で 5分間 97.9 675 163.0 1125 39.3 32
15 91.2 630 167.1 1150 43.8 30
20 96.5 665 170.7 1175 40.8 32
25 88.9 615 169.5 1170 44.3 32
10 2050℉ (1121℃)で 5分間 74.0 510 156.6 1080 53.4 27
15 78.6 540 161.2 1110 51.9 28
20 82.0 565 164.8 1135 47.6 31
25 82.9 570 165.6 1140 48.0 30
10 2150℉ (1117℃)で 5分間 66.9 460 148.1 1020 62.6 21
15 73.6 505 156.1 1075 55.4 26
20 72.1 495 154.0 1060 59.3 26
25 68.5 470 149.3 1030 61.7 25

*厚さ 0.110 inch (2.8 mm) の薄板を冷間圧延した結果に基づく。2回の繰り返し試験結果。
HRC = ロックウェル硬さ “C”.

溶接

HAYNES® 25 合金は、ガスタングステンアーク(TIG)、ガスメタルアーク(MIG)、シールドメタルアーク(SMAW)、電子ビーム溶接および抵抗溶接によって容易に溶接できます。溶接特性は、HAYNES® 188 合金に似ています。サブマージアーク溶接は、このプロセスが母材への入熱量が高く、溶接部の冷却が遅いという特徴を有しているため、お薦めできません。これらの要因は、溶接による拘束を増加させ、割れを促進する可能性があります。

母材の準備

溶接の前に、接合面および隣接する領域を完全に清浄にする必要があります。グリース、オイル、
クレヨンの痕、硫黄化合物、およびその他の異物はすべて除去しなければなりません。接合部が銅
または銅含有材料と接触するのを避けなければなりません。溶接時に合金が溶体化処理されてい
ることが好ましいですが、必ずしも必要ではありません。

溶加材の選定

25 合金の接合には、同一組成の溶加材を推奨します。シールドメタルアーク溶接には、 HAYNES®
25 合金溶接棒(AMS 5797)を推奨します。25合金とニッケル基、コバルト基、あるいは鉄基材料との
異種金属接合に対しては、個々のケースに応じて、25 合金(AMS 5796)、230-W® 溶加ワイヤ(AMS
5839)、HAYNES® 556® 合金(AMS 5831)、HASTELLOY® S 合金(AMS 5838)、または、
HASTELLOY® W 合金(AMS 5786)の溶接製品をご提案します。更なる情報が必要な場合は、”溶
接および加工”のパンフレットをご覧になるか、ウェブサイトの”Haynes Welding SmartGuide”をご利
用ください。

予熱、パス間温度、および溶接後の熱処理

予熱は必要ありません。予熱は、通常、室温(典型的な作業環境条件)として指定されています。パ
ス間温度は、200℉(93℃)以下に維持しなければなりません。汚染物を取り込むことがないのであ
れば、必要に応じて、溶接パス間に補助冷却手段を使用することができます。25 合金に対しては、
溶接後の熱処理は、通常、必要ありません。更なる情報が必要な場合は、”溶接および加工”のパ
ンフレットをご覧ください。

溶接部の引張特性 – 室温

形態 0.2%耐力 極限引張強さ 伸び
- ksi MPa ksi MPa %
Sheet 69.0 476 144.5 996 54.7
Plate 68.7 474 145.1 1000 58.8
Welded Transverse, GTAW 72.4 499 134.2 925 36.5
All Weld Metal, SMAW 88.6 611 141.0 972 31.5

適合規格および基準

HAYNES® 25 合金 (UNS R30605)
薄板、厚板および帯板 AMS 5537
ビレット、ロッドおよび棒 AMS 5759MIL-C-242520
被覆アーク溶接棒 AMS 5797
裸溶接棒およびワイヤ AMS 5796
継目なしパイプおよびチューブ -
溶接パイプおよびチューブ -
継手類 -
鍛造材 AMS 5759
DIN -
その他 NACE MR0175ISO 15156

基準

HAYNES® 25 合金 (R30605)
MMPDS 6.4.1

免責事項

Haynes International, Inc. は、本パンフレットに記載されているデータの精度・正確性を保証するために妥当な努 力を払っておりますが、データの精度、正確性、あるいは信頼性について、いかなる表明も保証もいたしません。 すべてのデータは、一般的な情報のみであり、設計上のアドバイスを提供するものではありません。ここに開示さ れている合金特性は、主に Haynes International, Inc. によって行われた作業に基づいており、場合によっては公 開文献の情報によって補足されているため、そのような試験の結果のみを示すものであり、保証最大値または最 小値と考えてはなりません。実際の使用条件で特定の合金を試験して特定の目的に対する適合性を判断するの はユーザーの責任です。

特定の製品に含まれる特定の元素濃度とその潜在的な健康への影響については、Haynes International, Inc. が 提供する安全データシートを参照してください。特記のない限り、すべての商標は Haynes International, Inc. が 所有しています。

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