当社の主要な出来事
1907年 Elwood Haynesは、彼が作成した合金の特許を取得。 この合金は、カトラリー、歯科用器具、自動車の点火プラグ、およびその他の用途に使用された。 彼は後にこの金属をSTELLITE®と命名。

1912年 米国特許庁は、より進化したバージョンのSTELLITE®合金に対して2件の特許を授与することをHaynesに通知。

Elwood Haynesはインディアナ州KokomoのUnion StreetにHaynes Stellite Worksを創立。 4人の従業員で、機械工具、歯科用器具、外科用メス、およびカトラリー用のSTELLITE®合金の製造を開始。

1915 年 Elwood Haynesと二人の地元のビジネスマン、Richard Ruddellto とJames C. Pattenは、事業をHaynes Stellite Companyとして法人化。
1916 年 Lindsay Streetの不動産物件を取得し、プラントマネージャのJames Pattenのリーダーシップの下で事業を拡大。
1918 年 キャデラックとリンカーンの自動車を発明したHenry M. Lelandは、Haynesに戦争支援のためのSTELLITE®合金の重要性を強調した手紙を書く。 彼は手紙に、“このStelliteは、高速度鋼あるいは我々が発見したその他の何よりもはるかに優れていることがわかった。”と記述。

1920 年 Union Carbideが当社を買収。
1921 年 HASTELLOY® B合金を含む多くの独自合金の開発を可能にするニッケル - モリブデン合金の組成範囲に対して特許が付与される。
1922 年 HASTELLOY®の登録商号が創案される。 この名前は、HAYNES STELLITE ALLOY = HASTELLOY®から文字を取った。
ハードフェーシングプロセスが発明される。 このプロセスは、摩耗の恐れがある工具および機械の一部に、STELLITE®合金の表面層を溶接することを含む。
1927 年 Charles Lindbergが、STELLITE®でハードフェース処理したエンジンバルブを備えた飛行機、“Spirit of St. Louis”で大西洋を横断。
1929 年 新たに発表したHASTELLOY®合金を使用する、成長を続ける化学プロセス、石油化学、および製薬業界向けの製品を製造するために新しい鋳造工場を建設。
1930 年 油井掘削業界が、STELLITE®合金によるハードフェーシングの最初の適用先の1つになる。油田掘削は、大恐慌時代の何年間にもわたって、財政的に当社を助ける成長事業になる。
1931 年 C合金ファミリーの第一号であるHASTELLOY® C合金を、航空機エンジン部品だけでなく、化学プラントでの用途向けに発表。

1936年 ダグラスDC-3航空機の初号機が引き渡される。 STELLITE® 21合金が、Pratt&Whitney R-1830 “ツインワプス(Twin Wasp)“ラジアルエンジンの排気バルブシートの摩耗問題を防止するために使用される。 これらの飛行機の何機かは、今日もまだ飛んでいる。
1937年 精密鋳造法が、歯科用修復物や外科用ボーンピンなどの部品の製造に使用される。 この鋳造プロセスは、“ロストワックス”あるいはインベストメント鋳造・プロセスとしても知られ、当社を最も重要な成長期へと導く。
Amelia EarhartのLockheed Electra 10Eには、STELLITE®でハードフェーシングしたエンジンバルブを使用したPratt&Whitneyエンジンが装備されている。

1941年 米国が第二次世界大戦に参戦。STELLITE®合金を精密鋳造プロセスと組み合わせて、航空機エンジンの過給機で遭遇する高温および応力に耐えることができるタービンブレードあるいは“バケット””を製造。 この製品は軍にとって非常に重要であり、連合軍の爆撃機が敵の対空砲火の上を飛ぶことを可能にする。 戦争中に2,500百万以上のバケットが生産される。これは使用されたすべてのバケットの70%である。
1943 年 Kokomoの "Rosie the Riveter"で戦争支援のためにターボ過給機のブレードを生産。 ピーク時には約2,000人いた従業員の約半数が女性。
1945 年 メインプラントの南に100エーカーの土地を購入し、鍛造合金を生産するDefenbaugh Street Operationsを開設。 鍛造品は最終的にヘインズ・インターナショナルの事業全体を構成するため、これが重要な転換点である。

1948 年 Defenbaugh Street OperationsにR-1ビルを建設。建物には、溶解炉、スチームハンマー鍛造機、熱間圧延厚板用3段圧延機、熱間圧延薄板用2段圧延機、24インチ棒材圧延機、および10インチ棒材圧延機を収容。 これらの設備の大半は今日でもまだ稼働中。
1950 年 のちにHAYNES® 25として知られるコバルト合金L-605を発表。 L-605の名称は、Haynes Stelliteによって製造された合金の最初のヒートの呼称に由来する。
1952 年 HASTELLOY® X合金が、Boeing 707初号機の動力源となった新しいPratt&Whitney JT-3エンジンに使用される。
1953 年 Jackie Cochranは、燃焼器内筒と排気ダクトにMULTIMET®合金を使用したGE J-47ターボジェットエンジンを搭載したF-86戦闘機での飛行で音速の壁を破る。 彼女はこの偉業を達成した最初の女性。
1956 年 真空誘導溶解(VIM)設備の追加により製造能力を拡大し、ゼネラル・モーターズに年間36万ポンドのインベストメント・キャスティングした再溶解バーの供給を開始。
1957 年 集中型技術研究所、R&D試験施設、技術図書館に加えて、Park Avenueのオフィス複合施設の建設が完了。
高性能シート材市場での優位な地位を維持するために、新しいSendzimerシート圧延機を設置。
1958 年 ビレットの転換コストを削減するために2000トンのBirdsboro鍛造プレスの購入が必要となる。 鍛造プレスは、この期間中の鍛造合金事業の成長にとって非常に重要であることが判明。
1961 年 マーキュリー(Mercury)カプセル用のアトラス(Atlas)打ち上げ機に、HAYNES® R-41、STELLITE® 21、およびHASTELLOY® B合金がヒート・シールド、ターボ・ポンプのブレード、および吸気マニホールドに使用される。 当社の製品は、宇宙カプセルとアトラス・ロケットの両方で使用されている。
1963 年 大気溶解合金の急速な成長のために、15トンのSwindell電気アーク炉が追加され、直ちに生産計画に組み込まれる。
1964 年 新しい5トンのストークス真空溶解炉が稼働を開始。
1965 年 当社合金が、ジェミニ(Gemimi)の宇宙飛行士を発射台から打ち上げ、ミッションが終わって安全に帰還するのを助ける。 ジェミニ計画のタイタン(Titan) II型ロケットにはロケットエンジンが搭載されており、エンジンのノズルをホットスポットから保護するように設計された内部断熱熱タイルのセットが特徴。 これらの断熱タイルは、HASTELLOY® C、MULTIMET®、またはHAYNES® 25合金製。
全米鉄鋼組合が、期間労働者の2年間契約を開始。
150,000平方フィートの Schloeman冷間圧延機がDefenbaugh Streetの南側で運転を開始。 これにより、薄板、コイル、帯板製品の生産が大幅に拡大。
研究開発へのコミットメントを示し、技術部門の従業員を200人以上にまで増員。
1966 年 ドイツのBASFと共同で、HASTELLOY® C-276合金を発表。
1967 年 航空機エンジンの設計者が耐熱合金の高性能化を求めているとき、その時点で利用可能な合金よりも著しい温度優位性を設計者に提供する、HAYNES® 188合金を発表。これにより、Pratt & Whitney F100エンジンを動力源とするMcDonnell Douglas F15攻撃機が、比類のない速度および高度記録を達成。
鍛造合金用のエレクトロスラグ再溶解法(ESR)が導入される。 これにより、かなりの歩留まり向上、合金の熱間加工性の向上、および全体的な品質向上がもたらされる。
1969 年 ニール・アームストロング(Neil Armstrong)、バズ・オルドリン(Buzz Aldrin)、マイケル・コリンズ(Michael Collins)がアポロ11号で月に行くとき、彼らを月に運ぶためのサターン(Saturn) V型ロケットには、当社合金から作られた約14トンの製品を使用。 F-1ロケットエンジンは、HAYNES® 713C合金製タービンブレード、HASTELLOY® C合金製ノズルスカート延長部と熱交換器、R-41合金製ターボ・ポンプ・マニホールド、およびHASTELLOY® W合金による溶接物を使用。
1970 年 キャボット社(Cabot Corporation)が当社を買収。 伝統に対して敬意を表す方法として、キャボットの経営陣は“Stellite Division”の名を継承。アルゴン・酸素脱炭(AOD)プロセスが追加され、化学処理業界におけるStellite Divisionの耐食性製品の適用が劇的に拡大。
ベルギーのブリュッセルにセールスオフィスが開設され、ヨーロッパで初めての販売拠点となる。 追加してヨーロッパのセールスオフィスとサービスセンターがこれに続く。
1971 年 HASTELLOY® S、HAYNES® 718、625、および75合金を発表。 50年ぶりに、当社が発明も商業的な発表もしていなかった、かなりの量の合金を生産し始める。
1973 年 HASTELLOY® C-4合金を、主にヨーロッパでの一般的な化学プロセス工業用途向けに発表。
1976 年 HAYNES® 25合金が、火星探査機マルス(Mars) のバイキング(Viking) 着陸船のスラストノズルおよび触媒床のシリンダーのスクリーンカバーに使用される。 シリンダーはHASTELLOY® X合金製。 3基のターミナル降下エンジンの大部分は、HASTELLOY® B合金棒製品を使用して製造。
HASTELLOY® B-2合金を、化学プロセス業界での酢酸処理向けに発表。
付加価値サービスにより力を入れるため、カリフォルニアにサービスセンターを開設。 レーザー切断機とウォータージェット切断機を加工設備として設置。 追加して米国サービスセンターとセールスオフィスが開設される。
1977 年 化学プロセス業界での管状製品販売の拡大をサポートするために、ルイジアナ州のアルカディア(Arcadia)に管状製品製造工場を開設。
HASTELLOY® G-3合金を、化学プロセス業界でのリン酸処理向けに発表。
1980 年 HAYNES® Ti-3AL-2.5V合金を発表。 管状製品工場で製造されたこのチタン合金は、商業用および軍用航空機の油圧配管に使用されており、他のサプライヤーの製品よりも多くの米国の戦闘機に使用されている。
1981 年 超合金製品に対する著しい需要の高まりに対処するため、4段Steckel圧延機を設置。 これにより、耐熱合金の薄板と、幅広い耐食合金の厚板製品の市場シェアを拡大する機会が生まれる。
HAYNES® 214®合金を、極めて高い高温用途向けに発表。 214®合金は、多くのガスタービンエンジンのタービンセクションのハニカムタイプのタービンシールに使用されている。
1983 年 Kokomoで製造したFERRALIUM® 合金 255超ステンレス鋼のバーを、自由の女神像の内部支持構造の置き換えのために国立公園局に寄贈。また、自由の女神の王冠のスパイクを確実に固定するために、HASTELLOY® C-22® 合金のフラットバーも寄贈。
英国のオープンショー(Openshaw)に、丸棒製品を製造する施設を開設。 続いて、コービー(Corby)サービスセンターがそこに移動。 これは、米国以外では初めての製造工場。
1984 年 HAYNES® 230® 合金を、工業用加熱および化学プロセス業界だけでなく、産業用ガスタービン市場用途向けに発表。
1985 年 HASTELLOY® C-22® および G-30®合金を、より腐食性が高い環境になりつつある化学プロセス用途向けに発表。 これらの改良された製品が、製薬および肥料市場において多くの機会をもたらす。
キャボット社が Stellite Hard-facing Divisionを売却。

1987 年 Stellite Divisionの売却後、 会社のKokomoに残った部分をHaynes International, Inc.と命名。
1989 年 Morgan、Lewis、Githens、および Ahnの投資銀行会社が Haynes International を買収。
1990 年 HAYNES® HR-120®、HR-160®、および ULTIMET® 合金を、非伝統的な耐熱市場向けに発表。 また、HAYNES® 242® 合金も、保護管やシールリング用だけでなく、Pratt & Whitneyの軍用ジェットエンジン用途向けとして発表。

1993 年 HASTELLOY® D-205® 合金を、化学プロセスおよび医薬品市場における様々な用途向けに発表。HASTELLOY® B-3® 合金を、B-2合金の改良バージョンとして発表。
1995 年 “C”ファミリー合金の性能を更に向上させるために、HASTELLOY® C-2000® 合金を発表。この合金は、実際にはオリジナルのHASTELLOY® C合金の第5世代であり、数百の用途に使用されている。
1997 年 Blackstoneグループの投資銀行が、Morgan、Lewis、Githens、およびAhn.から Haynes International を買収。
1999 年 Haynes Singapore が開所し、アジアにおける当社の最初の販売拠点となる。追加してアジアのセールスオフィスおよびサービスセンターの開設が続く。
2003 年 HASTELLOY® C-22HS® 合金を発表。この合金は他の耐食合金の2倍の強度を有しており、25,000フィート以上の深さのサワーガス井など、石油およびガス産業における新しい用途を創出。
2004 年 ワイヤビジネスを拡大させるため、ノースカロライナ州マウンテンホーム(Mountain Home)にあるBranford Wire Companyの資産を買収し、ワイヤ製品製造工場に名称を変更。
HASTELLOY® G 合金の第4世代として、HASTELLOY® G-35® 合金を発表。 この合金は、多くの用途、特に、リン酸肥料のプロセスにおいて耐食性を向上させる。
2005 年 HAYNES® 282® 合金を発表。 282®合金は、ガスタービンエンジンのホットセクション部品用に設計された超合金。この合金は、要求されるガスタービンの温度で優れた強度を有するばかりでなく、加工可能かつ溶接可能でもある。
2007 年 株式公開を完了し、公開企業となって、NASDAQ証券取引所に上場(HAYN)。
2008 年 混合酸用途向けに設計したHASTELLOY® HYBRID-BC1® 合金を発表。
2011 年 アトランティス(Atlantis)がフロリダのケネディ宇宙センターに着陸し、30年に渡るNASAのスペースシャトル・ミッションが終了。 スペースシャトルのエンジン(SSME) は、HAYNES® 188 合金で作られた合計47個の部品と HASTELLOY® B 合金で作られた7個の部品を装備。 HASTELLOY® C-22® 合金が燃料ラインのベローズに使用され、シャトルの離陸を援助。
HAYNES® HR-224® を発表。この合金は、製造可能で容易に溶接可能な合金の中でも極めて高い温度での耐熱性を提供。
2012 年 革新の100年を祝う。
HAYNES® 230®合金が、宇宙船:マーズ・サイエンス・ラボラトリー(MSL)と探査機:キュリオシティ(Curiosity) の姿勢制御スラスタとメインターミナル降下エンジンに使用される。 230® 合金製の8基の推力800ポンドのロケットエンジンが、MSLと探査機を火星の表面に降下させる“スカイ・クレーン”着陸システムで使用される。
2013 年 HAYNES® NS-163® 合金を発表。 この耐熱合金は、今日使用されている他の加工可能な合金を超える高温強度を提供する。
当社の歴史は、1世紀以上に渡る製品、プロセス、そして何よりも、これらに関わった人々の歴史です。ここで取り上げたことは、多くのよく知られているニッケルおよびコバルト基合金の紹介でもあり、これらの合金は、航空宇宙、発電、化学プロセス、製薬およびその他の分野における最も厳しい環境および重要な用途において世界中で使用されています。
当社の研究開発コミットメントは、また、今日の非常に競争の激しい環境においては非常にユニークです。 研究開発がアイデアから実行可能な合金製品に移行するまでに数年かかることはしばしばあります。 ニッケルおよびコバルトの冶金分野は過去100年間にわたって徹底的に研究されてきましたが、研究開発は引き続き当社の事業の重要な部分であり、新しい合金が引き続き発明されるでしょう。
当社の製品は、20世紀の初めがそうであったように、最も厳しい環境と重要な用途において世界中で使用されています。 当社の製品は、米国およびその同盟国の軍用機のみならず、今日飛行するほぼすべての商用航空機の部品に使用されています。 当社の歴史のなかで発明され、生産された合金は、アポロとスペースシャトルのすべてのフライトで飛行し、火星への最新の“キュリオシティ”ミッションのみならず、今日の衛星打ち上げで使用されているほとんどのロケット部品に見られます。
私たちは、私たちの未来と革新の伝統を継承することを楽しみにしています。