主な特徴

塩化物誘発孔食に対する向上した汎用性と並外れた耐性

HASTELLOY® C-22® 合金 (UNS N06022) は、よく知られた実績のあるニッケル – クロム – モリブ
デン材料の1つであり、その主な特性は酸化性および非酸化性化学物質の両方に対する耐性、
および 孔食、隙間腐食、ならびに応力腐食割れからの保護が挙げられます。その高いクロム含
有量は、C合金族の標準である C-276 合金よりも酸化性媒体に対してはるかに高い耐性を提供
し、ステンレス鋼が侵されやすい、潜在的かつ予測不可能な腐食の形態である塩化物誘発孔食
に対して並外れた耐性を付与します。

他のニッケル合金と同様に、 HASTELLOY® C-22® 合金は非常に延性があり、優れた溶接性を示
し、工業用部品に容易に加工できます。 この合金は、厚板、薄板、帯板、ビレット、棒、ワイヤ、パ
イプ、チューブ、および被覆アーク溶接棒の形態で入手できます。典型的な化学プロセス産業
(CPI)用途には、反応器、熱交換器、およびカラムなどがあります。

*この合金に関して技術的なご質問がある場合は、当社の技術支援チームにご連絡ください。

標準組成

重量 %
ニッケル (Ni) Balance
クロム (Cr) 22
モリブデン (Mo) 13
鉄 (Fe) 3
コバルト (Co) 2.5 max.
タングステン (W) 3
マンガン (Mn) 0.5 max.
ケイ素 (Si) 0.08 max.
炭素 (C) 0.01 max.
バナジウム (V) 0.35 max.
銅 (Cu) 0.5 max.

等腐食線図

ここに示す等腐食図の各々は、異なる酸濃度および温度で得られた多数の腐食速度値を用い
て作成されたものです。青の線は、試薬グレードの酸を用いた実験室試験に基づいて、予想腐
食速度が 0.1 mm/y (4 mil/年) となる酸濃度と温度の組み合わせを示しています。この線より
も下では、腐食速度は 0.1 mm/y 未満になると予想されます。同様に、赤の線は、予想腐食速
度が 0.5 mm/y (20 mil/年) となる酸濃度と温度の組み合わせを示しています。線よりも上では、
予想腐食速度は 0.5 mm/y を超えます。青と赤の線の間では、腐食速度は 0.1〜0.5 mm/y にな
ると予想されます。

0.1 mm/y 腐食速度線の比較

HASTELLOY® C-22® 合金の性能を他の材料の性能と比較するには、0.1 mm/y の腐食速度線を
プロットすると便利です。以下のグラフにおいて、C-22®合金の線は、塩酸および硫酸中における
2つの一般的なオーステナイト系ステンレス鋼(316L および254SMO)、および低モリブデン-ニッ
ケル合金(625合金)の線と比較されています。塩酸中での試験は、20%濃度(共沸混合物)までに
制限しました。約5%以上の塩酸濃度では、C-22® 合金はステンレス鋼に比べて飛躍的な改善をも
たらし、8~20%濃度域の塩酸中においては、625 合金に比べてより大きな耐食性を示します。

 

 

選択腐食データ

臭化水素酸

濃度 Wt.% 50°F 75°F 100°F 125°F 150°F 175°F 200°F 225°F 沸騰
10°C 24°C 38°C 52°C 66°C 79°C 93°C 107°C
2.5 0.02
5 0.01 0.76
7.5 0.01 0.45
10 0.01 1.50
15 0.01 <0.01 0.88
20 0.01 0.46 0.80
25 <0.01 0.20 0.29 0.58 0.97
30 0.11 0.23 0.29 0.59 1.12
40 0.07 0.13 0.21 0.34 0.66

すべての腐食速度はミリメートル/年(mm/y)で示しています;mil(ミル:1000分の1インチ)/年に変換するには、0.0254で除算します。
データは、腐食試験所の Job 15-02、27-02、および 37-02 からのものです。
すべての試験は、実験室条件下で試薬グレードの酸を用いて行われました;工業的利用に先立って、フィールドテストを実施することを推奨します。

塩酸

濃度 Wt.% 50°F 75°F 100°F 125°F 150°F 175°F 200°F 225°F 沸騰
10°C 24°C 38°C 52°C 66°C 79°C 93°C 107°C
1 0.01 0.06
1.5
2
2.5
3
3.5
4
4.5
5 <0.01 0.44 1.44 3.02 8.99
7.5
10 0.01 0.28 0.98 1.99 4.39 11.68
15 0.98 1.91 11.02
20 0.20 0.32 0.90 1.72 3.38 9.73

すべての腐食速度はミリメートル/年(mm/y)で示しています;mil(ミル:1000分の1インチ)/年に変換するには、0.0254で除算します。
データは、腐食試験所の Job 442-82 および 176-83 からのものです。
すべての試験は、実験室条件下で試薬グレードの酸を用いて行われました;工業的利用に先立って、フィールドテストを実施することを推奨します。

硝酸

濃度 Wt.% 50°F 75°F 100°F 125°F 150°F 175°F 200°F 225°F 沸騰
10°C 24°C 38°C 52°C 66°C 79°C 93°C 107°C
10 <0.01 0.01 0.01
20 0.01 0.02 0.06
30 0.01 0.02 0.13
40 0.02 0.03 0.09 0.26
50 0.05 0.14 0.33 0.59
60 0.06 0.08 0.19 0.57 1.09
70 0.05 0.11 0.33 0.71 2.53

すべての腐食速度はミリメートル/年(mm/y)で示しています;mil(ミル:1000分の1インチ)/年に変換するには、0.0254で除算します。
データは、腐食試験所の Job 443-82 および 47-04 からのものです。
すべての試験は、実験室条件下で試薬グレードの酸を用いて行われました;工業的利用に先立って、フィールドテストを実施することを推奨します。

リン酸

濃度 Wt.% 125°F 150°F 175°F 200°F 225°F 250°F 275°F 300°F 沸騰
52°C 66°C 79°C 93°C 107°C 121°C 135°C 149°C
50 0.07
60 0.08 0.16
65
70 0.07 0.13 0.23
75 0.05 0.12 0.19
80 0.06 0.12 0.16 0.25
85 0.07 0.12 0.20 0.66

すべての腐食速度はミリメートル/年(mm/y)で示しています;mil(ミル:1000分の1インチ)/年に変換するには、0.0254で除算します。
データは、腐食試験所の Job 444-82 および 46-04 からのものです。
すべての試験は、実験室条件下で試薬グレードの酸を用いて行われました;工業的利用に先立って、フィールドテストを実施することを推奨します。

硫酸

濃度 Wt.% 75°F 100°F 125°F 150°F 175°F 200°F 225°F 250°F 275°F 300°F 350°F 沸騰
24°C 38°C 52°C 66°C 79°C 93°C 107°C 121°C 135°C 149°C 177°C
1
2 0.01 0.13
3
4
5 <0.01 0.01 0.03 0.23
10 0.02 0.04 0.29
20 0.01 0.03 0.28 0.83
30 0.01 0.09 0.68 1.89
40 0.01 0.01 0.31 0.87 3.99
50 0.02 0.40 0.77 2.18 9.98
60 0.01 0.67 0.95 2.69 7.62
70 0.28 0.56 0.94 3.07 14.94
80 0.09 1.44 2.16 3.68 3.58
90 0.34 0.89 1.80 6.27 4.24
96 0.10 1.10

すべての腐食速度はミリメートル/年(mm/y)で示しています;mil(ミル:1000分の1インチ)/年に変換するには、0.0254で除算します。
データは、腐食試験所の Job 319-82、445-82 および 19-14 からのものです。
すべての試験は、実験室条件下で試薬グレードの酸を用いて行われました;工業的利用に先立って、フィールドテストを実施することを推奨します。

選択腐食データ (試薬グレード溶液、mm/y)

化学物質 濃度 100°F 125°F 150°F 175°F 200°F 沸騰
38°C 52°C 66°C 79°C 93°C
酢酸 99 0.00
ギ酸 88 <0.01
臭化水素酸 2.5 0.02
5 0.76
7.5 0.01
10 0.01
15 0.01 <0.01 0.88
20 0.01 0.46 0.80
25 <0.01 0.20 0.29 0.58
30 0.11 0.23 0.29 0.59
40 0.07 0.13 0.21 0.34
塩酸 1 0.01 0.06
5 <0.01 0.44
7.5
10 0.01 0.28 0.98
15
20 0.20 0.32 0.90
フッ化水素酸* 5 0.04 0.15 0.47 0.58
10 0.09 0.33 0.64 0.78
20 0.22 0.53 0.95 1.65
硝酸 10 <0.01 0.01 0.01
20 0.01 0.02 0.06
30 0.01 0.02 0.13
40 0.02 0.09 0.26
50 0.14 0.59
60 0.06 0.19 1.09
65
70 0.05 0.33 2.53
リン酸 50 0.07
60 0.16
70 0.23
75 0.19
80 0.25
85 0.66
硫酸 10 0.02 0.04 0.29
20 0.01 0.03 0.28 0.83
30 0.01 0.09 0.68
40 0.01 0.31 0.87
50 0.02 0.40 0.77
60 0.67 0.95
70 0.28 0.56 0.94
80 1.44 2.16
90 0.34 0.89 1.80
96 0.10 1.10

*フッ化水素酸は、ニッケル合金の内部腐食も誘発します;ここに記載した値は、外部腐食のみの値です。

耐孔食および隙間腐食性

HASTELLOY® C-22®合金は、オーステナイト系ステンレス鋼に特に発生しやすい腐食形態である塩化物誘起孔食および隙間腐食に対して高い耐性を示します。合金の耐孔食および隙間腐食性を評価するには、ASTM規格 G48で定められている手順に従って、6 wt%塩化第二鉄酸性溶液中の臨界孔食温度および臨界隙間腐食温度を測定することが通例です。測定された温度は、この溶液中で72時間以内に孔食および隙間腐食が発生する最低温度です。比較のために、316L、254SMO、625、C-276 および 合金の値を以下に示します。

合金 6% FeCl3 酸性溶液中の 臨界孔食温度 6% FeCl3 酸性溶液中の 臨界隙間腐食温度
°F °F °F °F
316L 59 15 32 0
254SMO 140 60 86 30
625 212 100 104 40
C-276 >302 >150 131 55
C-22® >302 >150 176 80

他の塩化物含有環境、特に Green Death 溶液(11.5% H2SO+ 1.2% HCl + 1% FeCl3 + 1% CuCl2)
および Yellow Death 溶液(4% NaCl + 0.1% Fe2(SO4)3 + 0.021mol HCl)、を用いた24時間保持試験
により様々な合金の耐孔食および隙間腐食性を比較しました。Green Death 溶液では、C-22® 合金で孔食が観察された最低温度は120℃です(C-276の最低温度、すなわち沸点よりもかなり高い温度です)。Yellow Death 溶液では、C-22® 合金は最高試験温度(150℃)でも孔食を生じませんでした。Yellow Death 溶液におけ C-22® 合金の臨界隙間腐食温度は75℃です(これに対して、C-276合金は60℃です)。

耐応力腐食割れ性

ニッケル合金の主な特性の1つは、耐塩化物誘発応力腐食割れ性です。この非常に破壊的な腐
食形態に対する材料の耐性を評価するための一般的な方法は、典型的には応力をかけたU字
型曲げサンプルを沸騰45%塩化マグネシウムに浸けることです(ASTM規格G36)。以下の結果か
ら明らかなように、3つのニッケル合金(C-22®、C-276 および 625) は、比較対象のオーステナイ
ト系ステンレス鋼よりも、この形態の腐食に対してはるかに耐性があります。試験は1,008時間(6 週間)後に停止しました。

合金 割れが発生するまでの時間
316L 2 h
254SMO 24 h
625 1,008 hで割れ無し
C-276 1,008 hで割れ無し
C-22® 1,008 hで割れ無し

耐海水隙間腐食性

海水は、おそらく最も一般的な塩水溶液です。海上輸送や海上石油リグで遭遇するだけでなく、
沿岸施設の冷却にも使用されています。下表に記載されているのは、ノースカロライナ州ライツ
ヴィル ビーチにある LaQue 試験所における米国海軍の研究の一部として作成(およびD.M. Aylor 等によって出版 ; Paper No. 329, CORROSION 99, NACE International, 1999)されたデータです。隙間試験は、29℃±3℃の、流れていない(静止した)海水と流れている海水の両方で行われました。各合金の2つのサンプル(AとB)を180日間、静水中で試験し、同様に流水中で試験しました。各サンプルは、隙間腐食の可能性がある2つの箇所を含んでいます。結果は、C-22® 合金が海水中での隙間腐食に対して非常に耐性があることを示しています。

合金 静水 流水
腐食した箇所の数 最大腐食深さ、mm 腐食した箇所の数 最大腐食深さ、mm 
316L A:2, B:2 A:1.33, B:2.27 A:2, B:2 A:0.48, B:0.15
254SMO A:2, B:2 A:0.76, B:1.73 A:2, B:2 A:0.01, B:<0.01
625 A:1, B:2 A:0.18, B:0.04 A:2, B:2 A:<0.01, B:<0.01
C-276 A:1, B:1 A:0.10, B:0.13 A:0, B:0 A:0, B:0
C-22® A:0, B:0 A:0, B:0 A:0, B:0 A:0, B:0

溶接部の耐食性

溶接部の耐食性を評価するために、Haynes International では、ガスメタルアーク(MIG)のマル
チパス溶接により溶接した十字型の組立品から、四分円の全溶接金属サンプルを切り取って試
験しました。予想されるように、溶接ミクロ組織の不均質な性質は、(より均一な鍛造製品より
も)大きい腐食速度をもたらします。それにもかかわらず、HASTELLOY® C-22® 合金は、次の表
に示すように、溶接形態であっても主要な無機酸に対して優れた耐性を示します:

化学物質 濃度 温度 腐食速度
wt.% °F °C 溶接金属 鍛造母材
mpy mm/y mpy mm/y
H2SO4 30 150 66 0.6 0.02 0.4 0.01
H2SO4 50 150 66 9.3 0.24 0.8 0.02
H2SO4 70 150 66 10.3 0.26 11.0 0.28
H2SO4 90 150 66 18.5 0.47 13.4 0.34
HCl 5 100 38 <0.1 <0.01 <0.1 <0.01
HCl 10 100 38 <0.1 <0.01 0.4 0.01
HCl 15 100 38 11.1 0.28 9.4 0.24
HCl 20 100 38 10.2 0.26 7.9 0.20

物理的特性

物理的特性 英国単位 メートル単位
密度 RT
0.314 lb/in3
RT
8.69 g/cm3
電気抵抗 RT 44.9 μohm.in RT 1.14 μohm.m
200°F 48.0 μohm.in 100°C 1.23 μohm.m
400°F 48.8 μohm.in 200°C 1.24 μohm.m
600°F 49.3 μohm.in 300°C 1.25 μohm.m
800°F 49.7 μohm.in 400°C 1.26 μohm.m
1000°F 50.1 μohm.in 500°C 1.27 μohm.m
600°C 1.28 μohm.m
熱伝導率 100°F
69 Btu.in/h.ft2.°F
50°C 10.1 W/m.°C
200°F
76 Btu.in/h.ft2.°F
100°C 11.1 W/m.°C
400°F
94 Btu.in/h.ft2.°F
200°C 13.4 W/m.°C
600°F
110 Btu.in/h.ft2.°F
300°C 15.5 W/m.°C
800°F
125 Btu.in/h.ft2.°F
400°C 17.5 W/m.°C
1000°F
139 Btu.in/h.ft2.°F
500°C 19.5 W/m.°C
600°C 21.3 W/m.°C
熱拡散率 RT
0.004 in2/s
RT
0.027 cm2/s
200°F
0.005 in2/s
100°C
0.030 cm2/s
400°F
0.005 in2/s
200°C
0.035 cm2/s
600°F
0.006 in2/s
300°C
0.039 cm2/s
800°F
0.007 in2/s
400°C
0.042 cm2/s
1000°F
0.007 in2/s
500°C
0.046 cm2/s
600°C
0.048 cm2/s
平均熱膨張係数 75-200°F 6.9 μin/in.°F 24-100°C 12.4 μm/m.°C
75-400°F 6.9 μin/in.°F 24-200°C 12.4 μm/m.°C
75-600°F 7.0 μin/in.°F 24-300°C 12.6 μm/m.°C
75-800°F 7.4 μin/in.°F 24-400°C 13.1 μm/m.°C
75-1000°F 7.7 μin/in.°F 24-500°C 13.7 μm/m.°C
75-1200°F 8.1 μin/in.°F 24-600°C 14.3 μm/m.°C
75-1400°F 8.5 μin/in.°F 24-700°C 14.9 μm/m.°C
75-1600°F 8.8 μin/in.°F 24-800°C 15.5 μm/m.°C
75-1800°F 9.0 μin/in.°F 24-900°C 15.9 μm/m.°C
比熱 100°F 0.098 Btu/lb.°F 50°C 414 J/kg.°C
200°F 0.101 Btu/lb.°F 100°C 423 J/kg.°C
400°F 0.106 Btu/lb.°F 200°C 444 J/kg.°C
600°F 0.111 Btu/lb.°F 300°C 460 J/kg.°C
800°F 0.114 Btu/lb.°F 400°C 476 J/kg.°C
1000°F 0.118 Btu/lb.°F 500°C 485 J/kg.°C
600°C 514 J/kg.°C
動弾性率 RT
29.9 x 106psi
RT 206 GPa
200°F
29.4 x 106psi
200°C 197 GPa
400°F
28.5 x 106psi
300°C 191 GPa
600°F
27.6 x 106psi
400°C 185 GPa
800°F
26.6 x 106psi
500°C 179 GPa
1000°F
25.7 x 106psi
600°C 174 GPa
1200°F
24.8 x 106psi
700°C 168 GPa
1400°F
23.6 x 106psi
800°C 160 GPa
1600°F
22.4 x 106psi
900°C 152 GPa
1800°F
21.1 x 106psi
1000°C 144 GPa
溶融温度 2475-2550°F 1357-1399°C

RT= 室温

衝撃強さ

試験温度 衝撃強さ
°F °C ft-lbf J
RT RT 419 568
-320 -196 346 469

衝撃強さは、ミルアニールしたプレート(厚板)を機械加工して製作したシャルピー V-ノッチ試験片を
用いて取得しました。

引張強度および伸び

形態 試験温度 板厚/丸棒直径 0.2% 耐力 極限引張強さ 伸び
°F °C in mm ksi MPa ksi MPa %
薄板 RT RT 0.028-0.125 0.7-3.2 59 407 116 800 57
薄板 200 93 0.028-0.125 0.7-3.2 54 372 110 758 58
薄板 400 204 0.028-0.125 0.7-3.2 44 303 102 703 57
薄板 600 316 0.028-0.125 0.7-3.2 42 286 98 676 62
薄板 800 427 0.028-0.125 0.7-3.2 41 283 95 655 67
薄板 1000 538 0.028-0.125 0.7-3.2 40 276 91 627 61
薄板 1200 649 0.028-0.125 0.7-3.2 36 248 85 586 65
薄板 1400 760 0.028-0.125 0.7-3.2 35 241 76 524 63
厚板 RT RT 0.25-0.75 6.4-19.1 54 372 114 786 62
厚板 200 93 0.25-0.75 6.4-19.1 49 338 107 738 65
厚板 400 204 0.25-0.75 6.4-19.1 41 283 98 676 66
厚板 600 316 0.25-0.75 6.4-19.1 36 248 95 655 68
厚板 800 427 0.25-0.75 6.4-19.1 35 241 92 634 68
厚板 1000 538 0.25-0.75 6.4-19.1 34 234 88 607 67
厚板 1200 649 0.25-0.75 6.4-19.1 32 221 83 572 69
厚板 1400 760 0.25-0.75 6.4-19.1 31 214 76 524 68
丸棒 RT RT 0.5-2.0 12.7-50.8 52 359 111 765 70
丸棒 200 93 0.5-2.0 12.7-50.8 45 310 105 724 73
丸棒 400 204 0.5-2.0 12.7-50.8 38 262 96 662 74
丸棒 600 316 0.5-2.0 12.7-50.8 34 234 92 634 79
丸棒 800 427 0.5-2.0 12.7-50.8 31 214 89 614 79
丸棒 1000 538 0.5-2.0 12.7-50.8 29 200 84 579 80
丸棒 1200 649 0.5-2.0 12.7-50.8 28 193 80 552 80
丸棒 1400 760 0.5-2.0 12.7-50.8 29 200 72 496 77

値は多数の試験の平均値
RT= 室温

硬度

形態 硬さ, HRBW 典型的なl ASTM 結晶粒度
薄板 88 3.5 - 5.5
厚板 88 0 - 4.5
丸棒 84 1 - 3.5

試料は、全て溶体化処理した状態で試験。
HRBW = ロックウェル硬さ “B”, タングステンカーバイドボール圧子。

溶接および加工

HASTELLOY® C-22®合金は、ガスメタルアーク溶接(GMA/MIG)、ガスタングステンアーク溶接
(GTA/TIG)、およびシールドメタルアーク溶接(SMA/Stick)に非常に適しています。これらの溶接
に使用する同一組成の溶加金属(すなわち、ソリッドワイヤおよび被覆アーク溶接棒)が入手可能
で、溶接のガイドラインは、“溶接および加工”のパンフレットに記載されています。

HASTELLOY® C-22®合金の鍛造製品は、指定のない限り、ミルアニール(MA)した状態で供給さ
れます。この溶体化処理手順は、合金の耐食性および延性を最適化するように設定されていま
す。全ての熱間成形作業の後、最適な特性を回復させるために、材料を再アニールする必要が
あります。また、この合金は、7%以上の外面の繊維伸びを生じる冷間成形作業後にも再アニール
しなければなりません。HASTELLOY® C-22®合金のアニーリング温度は1121℃(2050℉)で、水冷
を推奨します(10mm(0.375インチ)より薄い構造の場合は急速空冷でも構いません)。アニーリン
グ時の保持時間は、構造の厚さに依存しますが、10~30分を推奨します(より厚い構造の場合
は、30分一杯必要です)。HASTELLOY® C-22®合金の熱処理に関するもっと詳細なことは、”溶接および加 工“のパンフレットに記載されています。

HASTELLOY® C-22®合金は熱間鍛造、熱間圧延、熱間据え込み鍛造、熱間押出し、熱間成形が
可能です。しかしながら、オーステナイト系ステンレス鋼に比べてひずみやひずみ速度に対してよ
り敏感であり、熱間加工温度範囲が非常に狭くなっています。たとえば、熱間鍛造の推奨開始温
度は1232℃(2250℉)で、推奨仕上げ温度は954℃(1750℉)です。”溶接および加工”のパンフレッ
トに記載しているように、適度な圧下率と頻繁な再加熱が最良の結果をもたらします。また、この
パンフレットでは、冷間成形、スピニング加工、ドロップハンマ、打ち抜き、およびせん断のガイドラ
インも提供しています。この合金は、ほとんどのオーステナイト系ステンレス鋼に比べて剛性が高
く、冷間成形時にはより多くのエネルギが必要です。また、HASTELLOY® C-22®合金は、ほとんど
のオーステナイト系ステンレス鋼よりも容易に加工硬化し、中間アニールを伴った数段階の冷間
加工が必要になる場合があります。

冷間加工は、通常、HASTELLOY® C-22®合金の耐全面腐食性、および耐塩化物誘発孔食と隙間
腐食性に影響しませんが、耐応力腐食割れ性に影響する可能性があります。したがって、最適な
腐食性能のためには、(7%以上の外面の繊維伸びをした)冷間加工部品は、再アニールすること
が重要です。

適合規格および基準

規格

基準

HASTELLOY® C-22® 合金 (N06022, W86022)
薄板、厚板および帯板 SB 575/B 575P= 43
ビレット、ロッドおよび棒 SB 574/B 574P= 43
被覆アーク溶接棒 SFA 5.11/ A5.11 (ENiCrMo-10)F=43
裸溶接棒およびワイヤ SFA 5.14/ A5.14 (ERNiCrMo-10)F= 43
継ぎ目なしパイプおよびチューブ SB 622/B 622P= 43
溶接パイプおよびチューブ SB 619/B 619P= 43
継手類 SB 366/B 366P= 43
鍛造材 SB 564/B 564P= 43
DIN 17744 No. 2.4602 NiCr21Mo14W
TÜV Werkstoffblatt 479Kennblatt 4535.00Kennblatt 4536.00Kennblatt 4534.01
その他 NACE MR0175ISO 15156ASME Code CaseNo. 2226-2Case No. N-621-1
HASTELLOY® C-22® alloy (N06022, W86022)
ASME Section l 1250°F (677°C)1
Section lll Class 1 800°F (427°C)1
Class 2 1250°F (677°C)2
Class 3 1250°F (677°C)2
Section Vlll Div. 1 1250°F (677°C)1
Div. 2 1250°F (677°C)1
Section Xll 650°F (343°C)3
B16.5 1250°F (677°C)4
B16.34 1250°F (677°C)5
B31.1 800°F (427°C)6
B31.3 800°F (427°C)7
VdTÜV (doc #) 844°F (450ºC)8 ,#479

1承認された材料形態: 厚板、薄板、棒、鍛造材、継手類、溶接パイプ/チューブ、継ぎ目なしパイプ/チューブ
2承認された材料形態: 厚板、薄板、棒、鍛造材、溶接パイプ/チューブ、継ぎ目なしパイプ/チューブ
3承認された材料形態: ボルト類
4承認された材料形態: 厚板、薄板、棒、継手類、溶接パイプ/チューブ、継ぎ目なしパイプ/チューブ、ボルト類
5承認された材料形態: 厚板、鍛造材、継手類、ボルト類
6承認された材料形態: 厚板、棒、鍛造材、継ぎ目なしパイプ/チューブ、ボルト類
7承認された材料形態: 厚板、薄板、継手類、溶接パイプ/チューブ、継ぎ目なしパイプ/チューブ
8承認された材料形態: 厚板、薄板、鍛造材、継手類、溶接パイプ/チューブ、継ぎ目なしパイプ/チューブ
9承認された材料形態: 厚板、薄板、棒、鍛造材

免責事項

Haynes International, Inc. は、本パンフレットに記載されているデータの精度・正確性を保証するために妥当な努力を 払っておりますが、データの精度、正確性、あるいは信頼性について、いかなる表明も保証もいたしません。すべての データは、一般的な情報のみであり、設計上のアドバイスを提供するものではありません。ここに開示されている合金 特性は、主に Haynes International, Inc. によって行われた作業に基づいており、場合によっては公開文献の情報に よって補足されているため、そのような試験の結果のみを示すものであり、保証最大値または最小値と考えてはなりま せん。実際の使用条件で特定の合金を試験して特定の目的に対する適合性を判断するのはユーザーの責任です。

特定の製品に含まれる特定の元素濃度とその潜在的な健康への影響については、Haynes International, Inc. が提供 する安全データシートを参照してください。特記のない限り、すべての商標は Haynes International, Inc. が所有してい ます。

合金パンフレット

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