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溶接継手の準備

溶接継手を適切に準備することは、 HASTELLOY®  および HAYNES® 合金の溶接にとって非常に重要な部分であると考えられます。溶接継手の準備の最初に、様々な機械的および熱的切断方法を利用  することができます。合金厚板を望ましい形状および開先角度に切断するために、プラズマアーク切断が一般的に用いられます。ウォータージェット切断およびレーザービーム切断も使用できます。端部の 準備は、NiおよびCo基合金に適用できる機械加工あるいは研削によって行うことができます。アークエア切断およびガウジングは許容されますが、炭素電極から炭素を取り込む可能性が非常に高いため、一般的には推奨されません。表面から炭素汚染を完全に除去しないと、その後の溶接または処理中に冶金学的問題が起こる可能性があります。さらに、エアアークガウジング中の高い入熱は、過剰な結   晶粒の成長を促進し、材料の延性を低下させます。したがって、再凝固層に炭素汚染を引き起こさず、最小限の切断後の調整しか必要としないプラズマアーク切断が、一般的にアークエア切断およびガウ ジングの代替手段として優れています。酸素アセチレン溶接および切断の使用は、火炎から炭素を取  り込むために推奨されません。

溶接の前に、全ての切断端面は、明るく光った金属面に調整する必要があります。溶接開先面に加えて、一般に溶接領域の上および底(フェースおよびルート)面の1インチ(25mm)幅のバンド域は、80グ  リットのフラッパーホイールまたはディスクを使用して光沢のある金属面に調整する必要があります。 溶接前およびマルチパス溶接でのパス間で表面酸化物を除去することが特に重要です。表面酸化物の溶融温度は、溶接される母材よりもはるかに高いので、溶接中に固体のまま留まり、溶融池に閉じ 込められて介在物を形成し、融合不良を生じる可能性があります。

清浄度は、Ni/Co基の溶接継手の準備において極めて重要な側面と考えられます。溶接作業の前に、溶接面および隣接する領域は、アセトンあるいは適切なアルカリ性クリーナのような適切な溶剤で完全に清浄にしなければなりません。全てのグリース、切削油、クレヨンマーク、機械加工液、腐食生成物、塗料、スケール、染色浸透剤溶液、およびその他の異物は完全に除去する必要があります。いかなる クリーニング残渣物も、溶接前に除去しなければなりません。鉛、硫黄、リン、および他の低融点元素  による溶接領域の汚染は、深刻な脆化または割れを引き起こすことがあります。CoおよびFe基合金の場合、溶接領域内での銅または銅含有材料との表面接触は避けなければなりません。表面に痕跡量 の銅があっても、溶接の熱影響部に液体金属脆化の一種である銅汚染割れが生じる可能性がありま す。

炭素鋼との接触による表面の鉄汚染は、錆汚れ腐食の原因となることがありますが、深刻な問題とは みなされないため、一般には、使用前にこのような錆汚れを取り除く必要はありません。さらに、少量のこのような表面の鉄汚染が溶融池に溶け込んでも、溶接金属の耐食性に著しく影響をするとは思われ ません。このような汚染は重大な問題とはみなされませんので、問題を回避するために合理的な注意 が払われれば、使用する前に特別な是正措置を講ずる必要はありません。

ステンレス鋼製のワイヤブラシは、通常、パス間に溶接部をクリーニングするには十分です。溶接中に使用するワイヤブラシは、NiおよびCo基合金のみに使用するように保管しておき、炭素鋼には使用し  てはなりません。すべてのアーク溶接プロセスに対して、始点と終点を研削することを推奨します。酸  素または二酸化炭素を含むシールドガスを使用する場合は、ワイヤブラシで磨く前に、パス間で軽く研削することが必要です。SMAW中のスラグ除去にはハツリおよび研削が必要で、その後にワイヤブラシで磨きます。

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