HASTELLOY®およびHAYNES® 合金のホームページ

溶接物の温度管理および熱処理

HASTELLOY® および HAYNES® 合金の予熱は、通常、必要ありません。外気温あるいは室温は、十分な予熱温度と考えられます。しかしながら、温度を凍結温度以上に上げる、あるいは水分の凝結を防止するために、合金母材の加温を必要とする場合があります。例えば、合金を冷たい屋外の貯蔵庫から温かい作業場に持ち込むと、結露が発生することがあります。この場合、溶接金属にポロシティを生じさせる可能性のある凝結の形成を防ぐために、溶接近傍の金属は室温よりわずかに高く温めておく必要があります。可能であれば、加温は間接加熱、例えば、赤外線ヒータまたは室温に達するまでの自然加温、によって行わなければなりません。酸素アセチレン加温を使用する場合

は、溶接領域ではなく母材全体を均等に加温する必要があります。トーチの火炎は、浸炭することがないように調節しなければなりません。火炎を均等に分散させる”ローズバッド”型のチップを使用することをお勧めします。加温によって局所的な溶融、あるいは粒界の一部が溶融することを避けるように注意しなければなりません。

中間パス温度とは、追加の溶接パスの溶着開始直前の溶接部の温度を指します。最高中間パス温度は 200°F (93°C)を推奨します。中間パス温度を制御するために、水冷および急速空冷のような補助冷却手段を使用することも許容しています。エアラインからの微量の油、グリース/汚れ、または溶接継手を冷却するために使用される硬水からの鉱物付着物によって溶接領域が汚染されないように注意する必要があります。薄肉の容器の外側に金物類を取り付ける場合は、熱影響部の広がりを最小限に抑えるために容器の内側(プロセス側)に補助冷却を行うことをお勧めします。

大部分の使用環境下では、耐食性合金および固溶強化型耐熱合金は溶接したままの状態で使用され、これらの合金の良好な溶接性を確保するための溶接後熱処理(PWHT)は、一般に必要ありません。溶接による残留応力を緩和するためのような特定の状況においては、溶接後熱処理が必要とされる、あるいは有益であることがあります。しかしながら、炭素鋼に広く用いられている温度での応 力除去熱処理は、通常、これらの合金に対しては有効ではありません。PWHTがこれらの中間温度で行われると、ミクロ組織中に第2相が析出し、耐食性などの材料特性に悪影響を及ぼすことがあります。ほとんどの合金に対して、1000~500ºF (538~816ºC) の温度領域でのPWHTは避けなければなりません。応力がかかった炭素鋼部品の応力除去熱処理が必要な場合は、Haynes International に連絡して助言を受けてください。一般に、固溶強化型合金に対して、唯一、許容できるPWHTは、完全溶体化処理です。合金に対する適切な溶体化処理温度を決定するには、熱処理ガイドラインを参考にしてください。アニーリング時間は、通常、溶接継手の厚さに見合ったものです。

析出強化型合金の場合、通常は、適切な材料/溶接特性を成長させるためにPWHTが必要です。ほとんどの場合、これには完全溶体化処理が含まれ、引き続いて時効硬化熱処理が行われます。合金に対する適切なアニーリングおよび時効硬化熱処理工程を決定するためには、熱処理ガイドラインを参考にしてください。

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