HASTELLOY®およびHAYNES® 合金のホームページ

熱間加工

HAYNES® および HASTELLOY® 合金は、熱間加工で様々な形状にできます;しかしながら、熱間加工量および加工率に対しては、オーステナイトステンレス鋼よりも敏感です。加えて、HAYNES® および HASTELLOY® 合金に対する熱間加工温度範囲は極めて狭く、熱間加工パラメータに対して細心の注意が必要です。

適切な熱間加工法の開発においては、問題となる合金の固相線(合金が溶融し始める温度)、高温におけるHAYNES® および HASTELLOY® 合金の高い強度、高加工硬化速度、および低熱伝導率に特に注意を払う必要があります。さらに、温度が熱間加工範囲の下限に向かって低下するに従って、変形に対する抵抗が著しく増加します。

したがって、頻繁な再加熱と相まって、高い(重度の)初期加工率、およびそれに続く適度な仕上げ加工率を組み込んだ熱間加工の実践が一般に最良の結果をもたらします。 加えて、変形速度が遅いことは、断熱加熱および適用される所要荷重を最小にする傾向があります。

*熱間加工の後に、HAYNES®およびHASTELLOY®合金は、使用、時効硬化(時効硬化型合金の場合)、または更なる加工に対して最適な条件に戻すためにアニールする必要があります。アニーリング温度およびテクニックは、熱処理の項に詳述されています。

溶融温度範囲

合金 溶融温度範囲
固相線* 液相線**
°F °C °F °C
B-3® 2500 1370 2585 1418
C-4 - -
C-22® 2475 1357 2550 1399
C-22HS® 2380 1304 2495 1368
C-276 2415 1323 2500 1371
C-2000® 2422 328 2476 1358
G-30® - -
G-35® 2430 1332 2482 1361
HYBRID-BC1® 2448 1342 2509 1376
N 2375 1302 2550 1399
ULTIMET® 2430 1332 2470 1354
25 2425 1329 2570 1410
75 2445 1341 2515 1379
188 2400 1316 2570 1410
214® 2475 1357 2550 1399
230® 2375 1302 2500 1371
242® 2350 1288 2510 1377
244® 2480 1360 2550 1399
263 2370 1299 2470 1354
282® 2370 1299 2510 1377
556® 2425 1329 2480 1360
617 2430 1332 2510 1377
625 2350 1288 2460 1349
625SQ® 2350 1288 2460 1349
718 2300 1260 2435 1335
HR-120® 2478 1359 2542 1395
HR-160® 2360 1293 2500 1371
HR-224® 2449 1343 2510 1377
HR-235™ 2401 1316 2473 1356
MULTIMET® 2350 1288 2470 1354
R-41 2385 1307 2450 1343
S 2435 1335 2516 1380
W 2350 1288 2510 1377
WASPALOY 2425 132 2475 1357
X 2300 1260 2470 1354
X-750 2540 1393 2600 1427

*合金が溶け始める温度
**合金が完全に溶ける温度

鍛造

下記の合金に適用できる推奨手順と温度:
耐食合金
耐熱合金
耐摩耗・耐食合金

以下は、HAYNES® および HASTELLOY® 合金の鍛造に対する推奨手順です:

  • 厚さ1インチあたり少なくとも30分間、ビレットまたはインゴットを鍛造開始温度に浸す。校正された光学的放射温度計の使用が不可欠である。
  • 鋼材は、均等に加熱されるように頻繁にひっくり返すこと。合金に火炎が直接当たることは避けること。
  • 炉から取り出した後、直ちに鍛造を始めること。短時間の経過で、表面温度が100-200℉ (55-110℃)程度低下する可能性がある。粒界の一部が溶融するおそれがあるため、熱損失を補償するために鍛造温度を上げないこと。
  • 可能な限り多くの内部熱を保持し、それによって結晶粒の粗大化および再加熱の回数を最小限に抑えるため、中程度の断面減少率(25〜40%)にすること。1回のパスあたり40%を超える断面減少率は避けること。
  • 最終部品において適切な組織と特性が得られるように、鍛造中に十分な熱間加工を施すように注意すること。 断面積が大きい部品に対しては、適切な鍛造断面減少率を可能にするために、鍛造の据え込み回数を多くした熱間加工スケジュールを推奨する。一般に許容される据え込み比率:L/Dは、3:1である。
  • 軽度の断面減少率によるサイズ仕上げ工程は、一般的に避けること。 必要であれば、鍛造温度範囲の下限で行うこと。
  • 最初の成形段階では、正方形から円形に直接成形するような急激な断面形状の変化はさせないこと。代わりに、正方形から”角を丸くした正方形”、次いで八角形、次に円形となるように成形すること。
  • 鍛造中に発生した割れや裂け目は、(条件を設けて)除去すること。 除去は、鍛造工程間の中間段階で行うことができる。

鍛造/熱間加工の温度範囲

合金

鍛造/熱間加工温度

開始温度*

仕上げ温度**

°F

°C

°F

°C

B-3®

2275

1246

1750

954

C-4

2200

1204

1750

954

C-22®

2250

1232

1750

954

C-22HS®

2250

1232

1750

954

C-276

2250

1232

1750

954

C-2000®

2250

1232

1750

954

G-30®

2200

1204

1800

982

G-35®

2200

1204

1750

954

HYBRID-BC1®

2250

1232

-

N

2200

1204

1750

954

ULTIMET®

2200

1204

1750

954

25

2200

1204

1750

954

75

2200

1204

1700

927

188

2150

1177

1700

927

214®

2150

1177

1800

982

230®

2200

1204

1700

927

242®

2125

1163

1750

954

244®

-

-

263

2150

1177

1750

954

282®

2125

1163

1850

1010

556®

2150

1177

1750

954

617

2125

1163

1600

871

625

2150

1177

1600

871

625SQ®

-

-

718

2050

1121

1650

899

HR-120®

2150

1177

1700

927

HR-160®

2050

1121

1600

871

HR-224®

-

-

HR-235™

2250

1232

1750

954

MULTIMET®

2150

1177

1700

927

R-41

2150

1177

1850

1010

S

2100

1149

1700

927

W

2240

1227

1800

982

WASPALOY

2150

1177

1850

1010

X

2100

1149

1750

954

X-750

2150

1177

1750

954

*最大値
**加工の性質と程度に依存する。

熱間圧延

下記の合金に適用できる推奨手順と温度:
耐食合金
耐熱合金
耐摩耗・耐食合金

HAYNES® および HASTELLOY® 合金は、熱間圧延によって、棒、リング、および平板のような従来の圧延形態にすることができます。熱間圧延の温度範囲は、前記(鍛造の項に記載した鍛造/熱間加工温度範囲)と同じです。

中程度の1パス当たりの断面減少率(15〜20%の面積減少)、および200〜300SFPM(フィート/分)の圧延速度は、ミルに過負荷をかけることなく良好な結果をもたらす傾向があります。工程当たりの総断面減少率は、少なくとも20〜30%にする必要があります。熱間加工温度範囲の下限で仕上げるのが一般的で、これによって、一般的に最適な組織および特性が付与されます。

圧延前に、加工物が熱間加工開始温度で完全に浸漬されるように注意する必要があります。熱間圧延の間、加工物の温度を熱間加工温度範囲内に保つために、頻繁な再加熱が必要とされることがあります。

熱間成形

下記の合金に適用できる推奨手順と温度:
耐食合金
耐熱合金
耐摩耗・耐食合金

厚板を皿形鏡板のような部品に成形する場合、通常は中間アニールを伴う冷間プレスまたはスピニング成形が適用されます。しかしながら、材料のサイズおよび厚さによっては、熱間成形が必要な場合があります。

熱間成形が必要な場合、(炉が加熱される)開始温度は、(対象となる合金の)アニーリング温度と(仕上げ)鍛造の下限温度とのほぼ中間です。熱間成形の間、加工物の温度は(仕上げ)鍛造温度の下限を下回ってはなりません。正確な熱間成形温度を維持するために再加熱が必要な場合があり、表面が過度に冷却されないように金型を温める必要がありません。

その他の熱間加工プロセス

下記の合金に適用できる推奨手順と温度: Applicable to:
耐食合金
耐熱合金
耐摩耗・耐食合金

HAYNES®およびHASTELLOY®合金は、熱間押出成形および熱間スピニング成形のような、いくつかの他の熱間加工プロセスに適しています。衝撃押出成形は、加工する合金の溶体化処理温度で行わなければなりません。衝撃押出成形中は、加工物全体にわたって均一で正確な温度であることが必要であり、打ち直しは避けなければなりません。熱間押出成形および熱間スピニング成形に対するパラメータは、意図する作業および材料の正確な性質に固有のものです。 詳細については、技術支援チームにお問い合わせください。.

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